8話 大会
「うわーあっちもこっちも屋台だ!」
主人公は目を輝かせながら、周りを見渡す。会場の雰囲気はすでにお祭りのように賑やかで、色とりどりの屋台が並んでいる。香ばしい匂いや楽しそうな声が響き渡り、観客たちの笑顔が溢れている。
「落ち着け、威厳を保つんだ」隣から、冷静に言う声が聞こえる。
主人公はおっとりと頷き、心の中で気を引き締める。「はーい、威厳を保たなきゃね。」
すると、突然、会場が一瞬静まり返り、どこかから一筋の光が差し込んできた。
「あれが聖女様なの!なんて綺麗なのかしら」観客の一部が息を呑む。聖女様が登場すると、会場の空気が一変し、彼女の周りだけがまるで別の世界のように輝き始めた。
聖女様は高貴な装いで、まるで周囲の光を引き寄せるような存在感を放っている。その美しさと威厳に、思わず誰もが見とれてしまう。
「すごいな…」主人公は感心しながらも、少しばかり気を引き締める。聖女のような存在は、確かに注目を浴びるが、それでも自分は自分。どんな大きな存在に囲まれても、輝けるように努力するのだと心に誓った。
「凄かった、、、」スタッフの一人が主人公のパフォーマンスに感心して言う。
主人公はちょっと照れくさそうに笑いながら、「大丈夫大丈夫、落ち着け。」と自分を励ます。
「次はお前だ」隣の人物が、しっかりとした目で告げる。
主人公は軽くうなずき、気持ちを整理する。「うん、わかった。行くよ。」
そして、会場の中心に向かって、いよいよ次のパフォーマンスが始まる。
「次は、劇団の中で初めての試みのアイドル!」司会者の声が響き渡り、会場は一層静かに。期待の新人が登場すると告げられる。
「期待の新人ですね、リリアー!」
主人公はステージに立ち、その一歩一歩が心臓の鼓動を打つように感じられる。劇団の中での初めてのアイドルとして、プレッシャーを感じつつも、自信を持ってパフォーマンスを始めるのだ。