せかい の はじまり
ある日、神さまは思いました。
『新しい世界をつくろう』
神さまは大きな石のお盆に土を乗せました。手のひらで高くしたり低くしたり、平らにすると、そこが山や谷、平原になりました。
次にコップの水を土にかけると流れた水は川に、たまった水は池や海に、お盆からこぼれた水は雲になりました。
次に葉っぱをちぎって大地に降らせると、草原や森になりました。葉っぱが降らなかったところは荒れ地や砂漠になりました。
こうして大地を作り終わった神様は生き物をつくりはじめます。
魚のウロコを砕いて水にまくと、たくさんの魚になって泳ぎ始めました。
チョウチョの羽を砕いて降らせると、たくさんのチョウチョが草原で舞い始めました。
鹿の角を砕いてまくとたくさんの鹿になって走り回り、オオカミの爪を砕いてまくとたくさんのオオカミになって勇ましく遠吠えをしました。
こうして神様はイノシシを、ネコを、クジラを、たくさんの動物をつくりました。
最後に神様は自分の髪の毛を小さく切ってまきました。
すると神様と同じ姿をした動物が大地にうまれました。
こうして神様は、人間をつくりました。