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ものがたり の はじまり




 昔々のこと。

 ある小さな村に、ふたりの兄妹が住んでいました。


 兄の名前はリテル。妹思いの優しい子。

 妹の名前はリセラ。リテルより2歳年下の、お兄ちゃんが大好きな子。


 ふたりはお父さんと一緒に畑や牛の世話をしたり、お母さんのお洗濯や料理を手伝ったりして毎日を幸せに暮らしていました。


 しかし、リテルが13歳の誕生日を迎える頃、変わらない日々は変わっていきます。

 ある日の夜、北の空に巨大な虹色の柱が現れました。虹色の柱は一晩の間ギラギラと輝き、朝を迎えると消えてしまいました。突然現れた光の柱に村の人たちはみんな、腰を抜かしました。その後も光の柱は北の空に現れたり消えたりを繰り返しました。朝も、夜も、光の柱は気まぐれに姿を現してはいなくなります。


 光の柱が現れた頃から、村にも変化が現れ始めました。村のそばを流れる川の水がだんだんと少なくなり始めました。村にとって川の水はとても大事です。人や馬、牛が飲んだり、もちろん畑にも水は必要です。

 毎年たくさん獲れていた野菜は少なくなり、牛や馬も元気がなくなっていきました。村の周りの木々も枯れていきます。森の動物たちも姿を見なくなりました。


 光の柱が現れてから二年後、お父さんとお母さんが亡くなりました。リセルは悲しくて一晩中泣きました。リテラも悲しかったけれど涙をこらえて、泣きじゃくるリセラの頭をずっとなでていました。

 二人は助け合いながら一生懸命生きていました。小さくなった畑を耕し、1頭になってしまった牛の世話を焼き、身を寄せ合って眠りました。


 また二年が経ち、牛が亡くなりました。兄妹以外の最後の家族がいなくなってしまったのです。

 両親の墓の横に穴を掘って牛を埋め、お別れの祈りを捧げました。ふと、リテラが顔を上げると夜空に立ち上る虹色の光が目に飛び込んできました。


「あそこには、何があるんだろう」




その夜が、二人の旅のはじまりだったのです。




 ご覧いただき有り難うございます。不定期な更新になりますが、お暇なときにお読みいただければ幸いです。

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