第96話:ゴミ処理
◇
「あれ? カズヤさん、その子は?」
シーナたちのもとへ小さくなったソラたちを連れて行くと、早速興味を引いたようだった。
「実は、色々とあって姿を変えられるようになったんだ」
俺は、さっき洞窟の奥であったことを話したのだった。
「な、なるほど……それにしても、可愛くなりましたね……! 私とカズヤさんと出会った頃くらいの感じでしょうか?」
「アリアより小さくなってる……可愛い」
そういえば、シーナと出会った頃のソラたちはまだ進化前だったな。
確かに、サイズ感的にはあの頃に戻ったような感覚なのかもしれない。
デフォルメされた感じで雰囲気が大分柔らかくなったという点でやはりあの頃とも違うのだが。
「じゃあ、そろそろ俺も昼飯を——あっ、ゴミ回収しておくよ」
地面には、先に昼ご飯を食べてシーナたちの使い捨ての容器や、非可食部分のゴミがひとまとめにしてあった。
プラスチックなどのような、その辺に捨てておくと環境破壊してしまいそうなゴミはないのだが、そのままにしておくのは現代日本人の感覚が残っている俺にとっては気になる。
《収納魔法》でほぼ無制限に収納できるので、荷物になるわけでもない。リード村に着いたら焼き場やゴミを捨てる穴などがあるはずなので、そこで処理すればいい。
俺は《収納魔法》で異空間へのゲートを開き、そこにゴミを入れようとした。
その時だった。
「カズヤ様〜!」
「ん?」
ダイヤが俺の太ももをトントンと押しながら声をかけてきた。
「それもう要らないの?」
「ああ。ただのゴミだしな」
「じゃあ、ダイヤ、それもらっていい?」
遊び道具に使いたいとか、そんな感じの理由だろうか。
「それは別に構わないが……あまり散らかすなよ?」
「うん!」
洞窟を出る前には片付けるとしよう。
ということで一旦《収納魔法》をキャンセルし、ダイヤの足元にそっと置いたのだが——
「え?」
なんと、ダイヤは次々とゴミを口の中に放り込んだのだった。
「だ、大丈夫か⁉︎ そ、それゴミだぞ……?」
ダイヤに駆け寄るが、当のダイヤに気にした素振りはなく、全部飲み込んだのだった。
ダイヤはスライムだからなのか、かなり伸縮性が高い。
それ故に、自分の身体の大きさを超えるゴミの量でも喉を詰まらせたり、胃が破裂したりといったことはないようだ。
とはいえ、人間が食べられない部分の中には、毒の入った果物の種などもあったはずだ。
死ぬほどの毒ではとしても、心配になる。
「大丈夫! ダイヤ、スライムだから!」
いや、スライムとか関係あるのか……?
と思ったその時だった。
《『毒耐性』を獲得しました!》
ん……?
続きのプロット作りに時間がかかってしまい、二日ほどお休みしてました!
出来たので更新再開します