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第95話:好感度

 ステータスウィンドウを閉じると、ちょうどソラたちは食事を終えたようだった。


 命を維持する上では食事から栄養を摂る必要はないと言っていたが、表情を見るとどこか幸せそうに見える。


 人間にとっても食事は栄養を摂る作業であると同時に人生を充実させてくれる娯楽でもある。


 魔物も同じなのだろう。


 やはり、しっかりと定期的に餌やりはしておかなくちゃいけないな。


「じゃあ、一旦俺はみんなのところに戻るから、自由にしててもいいし、俺と一緒にみんなのところに来てもいいし——ん?」


 ソラたちに声を掛けてシーナたちの元へ戻ろうとしたその時だった。


 《ソラの好感度が上昇しました! ★》

 《ダイヤの好感度が上昇しました! ★》

 《コッコの好感度が上昇しました! ★》


 ん……?


 好感度……って、なんだこれ。


 餌をあげたから俺のことを好きになったってことなのか……?


 文字から目を逸らして、ソラたちを見てみる。


「んんっ⁉︎」


 すると、いつものソラたちの姿はなかった。


 いや、正確に言えば、同じと認識できないほどに姿が様変わりしていたのだった。


 かなり小さく、可愛くなってしまった三体は、まるでぬいぐるみ。


 さっきまでの強そうだったエンシェント・ドラゴンや凛々しい鶏、神々しいスライムの姿は面影しか残っていない。


 可愛らしい魔物たちが俺の周りをぴょんぴょんと跳ねている。


「ソラね、カズヤ様のことしゅき!」


「ダイヤね、カズヤ様のために頑張る!」


「コッコも忘れないで!」


 なんだか、口調まで変わっているような……?


 ま、まあいいか……。


「えっと……見た目が変わってもステータスとかは変わってないんだよな?」


「うん! 大丈夫!」


 ソラが力強く答えると、ボンっという音ともに、白い湯気が発生した。


 煙が晴れると、いつものように立派なエンシェント・ドラゴンがそこにいたのだった。


「戻るね!」


 さっきと同様にボンっと音を出して白い湯気が発生。


 すると、またぬいぐるみのように可愛らしい姿になったのだった。


「なるほど、自由に姿を変えられるようになったのか」


「そう!」


 姿が変わってしまったというより、できることが増えて自由に姿を変えられるようになったということのようだ。


 念の為、俺自身のステータスも確認してみた。


 弱体化していたら《ステータス共有》されている俺のステータスも下がるはずだが、そういったことは起こっていないので、やはり姿によってステータスが変わるということはないようだ。


 これなら一見すると魔物には見えないので、街の中で姿を見られても、ちょっと珍しいペットくらいの感じで怖がられることはないだろう。


 それにしても、まさか餌をあげるだけでこれほどまでに変化が現れるとはな……。

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