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第89話:確認

 俺の言葉を合図に、回復術師の山本以外は攻撃の体制になった。


 霧が晴れた今、ツインウルフたちの群れがハッキリと見える。


 ツインウルフの外観は、単に頭が二つになったような銀色の狼だった。獰猛そうな見た目をしているが、想像していたほどグロテスクな感じではなかった。


「カズヤ」


 俺の側にいたアリアがちょんちょんと横腹を突いて尋ねてきた。


「今回は《威嚇》しない方が良いよね?」


「そうだな。人数的に要らないと思う」


「わかった」


 アリアの《威嚇》は、アリアに魔物の注意を引きつけることで攻撃を一手に引き受けるという内容のスキル。


 敵がまとまるため、一気に多数の敵に攻撃しやすくなるが、今回のように一対一で戦っても安全に勝てる魔物かつ、こちらの人数が多いなら、分散していても問題ない。


 それに、俺は片桐たちがどれほど戦えるのかをよく知らない。


 俺が最後に知っているのは、《白銀の狼》によりクラスが壊滅する直前までの彼らだけ。


 俺だってあの後からかなり強くなったし、もはや一週間前の記憶に価値はない。


 短期間とはいえ、一緒に行動する以上はどの程度戦えるのか知っておきたかった。


 その上で、それぞれが魔物と戦える今の状況は好都合だ。


「行くぜ!」


 遠藤が叫び、目の前のツインウルフと真っ向から衝突する。


 遠藤の職業は、★5の金武闘家。特定の武器を扱わず、己の肉体を武器とする職業……とのことらしい。


 ツインウルフの攻撃を正確に予測した遠藤は思い切り拳を振り上げ、ツインウルフのうち片方の脳天に向かって振り下ろす。


 ドガアアアアアアアアアンッ‼︎


 攻撃を受けたツインウルフの頭は叩き潰され、見るも無惨な姿になっている。


 ……グロい。


 しかし、片方の頭が残っているうちはまだ動けるらしく、反撃を試みるツインウルフ。


「お? まだやんのか?」


 ドガアアアアアアアアアンッ‼︎


 再度遠藤の攻撃をモロに喰らったツインウルフは、息絶えたのだった。


 なるほど……この感じなら、あの森に戻っても大丈夫そうだ。


 山本は回復術師なのでやや評価が難しいが……後の二人を確認しておこう。

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