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第85話:要望

「えっ⁉︎」


 俺がネタバラシをすると、シーナはかなり驚いていた。


 そんなに意外だったのか?


「アリアさんはわかりましたか⁉︎」


 シーナが尋ねると、アリアは首を横に振る。


 どうやら、アリアにも本当のことだと思われていたらしい。


 俺がこの世界のことについて詳しく知らないのは一緒に過ごしている二人なら分かりそうなものだと思うのだが、まさか仲間すらも騙してしまっていたとは。


「カズヤさんならできそうだと思ってしまいました……」


「うん……アリアも」


「ええ……?」


 確かに、俺は普通ではできないとされることを出来るようになってきた。


 しかし、なんでもできるわけではない。


 いつの間にか少し過大評価されるようになってしまったようだ。


 まあ、常に一緒にいる二人をも騙せる雰囲気を出せていたとだけ受け止めておこう。この感じなら、あの店主も俺の嘘に気づくことはないだろう。


「それにしても、どこで餌を買えばいいのやら」


 昼には片桐たちと合流する必要があるので、ここで時間を無駄にしてしまったのは痛い。


 商業地区の中には他にもペット用の餌を取り扱う店はあるはずなので、急いで探すとしよう。


 ——と思っていたところ。


「カズヤ様、我々は人間用の普通の食料が一番効率良く吸収できます」


 ソラがこのようなことを言ってきた。


「え? 人間が食べるようなやつでいいのか?」


「はい。雑食なので」


「ダイヤとコッコも?」


「はい」


「そうです」


 ……あれ?


 じゃあ、最初から余計なこと考えなくて良かったってことなのか……?


 さっきの店に寄った意味とは……?


「お伝え遅くなりすみません」


 申し訳なさそうに頭を下げてくる魔物たち。


「いや……俺が直接みんなから聞かなかったのが悪い。気にしないでくれ」


 まあ、普通の食料でいいならいくらでも手に入るし、値段も安いのでいい事ずくめだ。


 それに、悪徳商人に困らされていた飼い主やペットたちを救えたと思えば……まあいいか。


「じゃあ、俺たちの食料と兼用ってことで。今から買いに行くか」


 こうして俺たちは旅に出る前の準備を済ませ、約束の時間に片桐たちと合流したのだった。

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