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第60話:vsラッシュ

 アリアを選べば遠藤たち四人が殺され、四人を救いたいのならアリアを差し出せ――ということか。


「いや、バカにしてんのか?」


 そもそも、アリアとラッシュは俺たち『異世界の勇者』を殺すべく近づいてきた。


 アリアを返すかどうかは関係ないはずだ。


「どちらにせよ残りの俺たち五人を殺すつもりなんだろ? これじゃ取引になっていない」


 当然ながら、アリアを返すつもりはない。そもそも、ラッシュの元に返すのはアリア自身の意思に反する。論外だ。


「まあ、その通りだが……言うことを聞けば今日一日は見逃してやる。その間に逃げるなり何なりすればいい」


「話にならねーよ」


 どうやら、戦うしかなさそうだ。


「出てきてくれ。ダイヤ、コッコ」


 戦闘力としては俺一人で戦ったほうが強いが、召喚獣たちの力も借りて損はない。


「シーナはアリアから離れずに遠くから援護してくれ」


「わかりました!」


 よし、これで準備完了だ。


 さっき、稲本が倒される場面を見ていた限りでは、今の俺たちにとってあの死霊ウルフはそれほど脅威にならない。


 とはいえ、油断は禁物。慎重に行くとしよう。


「行け」


 ラッシュが指示を出すと、死霊ウルフが俺を狙って動き出した。


 俺たちはせっかく三人+召喚獣三体がいるわけなので、俺一人で全てを相手する必要はない。


 俺は五体のうちの二体だけを倒すよう意識して対応することにした。


「直前まで引きつけて——」


 俺はギリギリまで魔物が近寄ってくるまで我慢。


 鋭い爪による攻撃が飛んできた瞬間にヌルっと動き出した。


 ステータス差があると、敵の動きがゆっくりに見えるので、完全に動きは把握することはそれほど難しくない。


 魔物と魔物の相を縫うような精密な動きで次々とギリギリで攻撃を避け、ついでに二体の死霊ウルフを斬りつける。


 ザク!


 ザク!


 俺は死霊ウルフの群れをくぐり抜けるようにして、ラッシュと一対一になった。


「なっ……!」


 この一瞬の動きで、ラッシュは俺への警戒感を強めたようだ。


 ちなみに、残り三体の魔物が残っているが——


「後ろは頼む」


 俺は三体の魔物をシーナとアリア、そして俺の召喚獣たちに任せたのだった。

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