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第50話:達成報告

 俺の方が上と言わんばかりのドヤ顔を向けてくる稲本。


 俺たちも今日の依頼を報告すればDランクに上がることが確定しているので、羨ましく思う理由が特にないのだが……。


 とは言っても、それを説明するのも面倒くさいな。


 俺は、どちらが上とか下とか、そういった低次元な話に興味がない。


 適当に話を合わせておくか。


「そうか。それは良かったな」


 俺がこのように答えてやると、稲本は満足そうに引き下がったのだった。


 そして。


「足を止めさせて悪かったね。それじゃあ」


 ラッシュはアリアと少し話した後に稲本たちを連れて冒険に出たのだった。


「カズヤさんには申し訳ないのですが、私はやっぱりあの人たち苦手です……」


「……悪いな」


「いえ、カズヤさんが悪いわけでは……!」


 なんだか雰囲気が悪くなってしまったので、空気を入れ替えたい。


「とりあえず、ギルドに行こう」


「そうですね」


 俺たちは改めて冒険者ギルドへ向かうことに。


 しかし、なんだかアリアの様子がおかしい。


 ぼうっとしているのか、俺たちの声に反応する事なく突っ立っている。


「アリア、どうかしたのか?」


「ん……」


「もし体調がが悪いならこの後の報告は俺たちだけで行こうと思うが……」


「……大丈夫」


「そうか。……ならいいんだが」


 どう見ても平気じゃなさそうなのが気になる。


 とは言っても本人に否定されてしまうと、ついてくるなとも言えないしな……。


 俺は手短に手続きが終わりますように——と祈りながら冒険者ギルドへ向かったのだった。


 ◇


 冒険者ギルドの演習場にて。


「な、なんですかこれえええええええっ⁉︎」


 特別依頼の達成報告をした後、ついでに倒したエンシェント・ドラゴンの買取を依頼した。


 素材が大きすぎて建物内で取り出すことは憚られたため、わざわざ野外の演習場まで来てから取り出したという流れである。


「こ、これなんなんですか⁉︎」


「エンシェント・ドラゴンらしい」


「それは見ればわかりますって!」


「そ、そうか……?」


 どうやら、俺たちが持ち帰った素材はギルド職員を驚かせてしまったらしい。


「この大きさだと、アーネス山に棲むエンシェント・ドラゴンですよね。こんなの、Aランク冒険者でも倒すのは難しいかも……いったいどうやって」


 Aランクといえば、数人しかいないSランクを除く最上位の冒険者だったよな?


 そう考えると、これって俺が思っているより凄いことをしてしまったのかもしれない。


「シーナが魔法でドンってやってくれた後に、俺が剣でズバッとしただけなんだが」


「……き、規格外すぎますね」

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