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第47話:仲間

 ◇


 ふう……どうにか間に合ったな。


 防御力が高いアリアだったが、直近の攻撃はかなり効いているようだった。


 さすがにさっきの攻撃をまともにくらえば危なかったはずだ。


「大丈夫か?」


「え……あっ、うん」


 アリアは、混乱しているようだった。


 まったく避ける素振りすらなかったので、心配になって咄嗟に助けに入ってしまったが、正解だったようだ。


 あまりに強い敵を前にして、恐れてしまったといったところだろう。


「どうして助けてくれたの?」


「いや、なんか身体が勝手に動いちゃってな」


「そうじゃなくて。あのドラゴンはアリアが呼んだの。なのに……」


 アリアは思いつめた表情で改めて理由を尋ねてきた。


 えっと……何を言ってるんだろう、この子は。


「仮のパーティとは言っても、俺たちは仲間だろ? 助けるのに理由なんて要らなくないか?」


「仲間……?」


 アリアは、虚を突かれたような表情になっていた。


 あれ?


 俺、なんか変なこと言ったっけ?


 まあ、いいや。


「それに、ちょうど良い敵じゃん? これまでの敵には、正直歯応えの無さを感じてた。こいつを倒せば一気に経験値を得られるだろうし、買取値にもかなり期待できる。だよな? シーナ」


「はい。持ち帰ることができれば、間違いなく大金持ちになれますよ!」


 シーナと俺はニヤニヤしながら見つめ合う。


「ほ、本気であれを倒す気なの⁉」


「当たり前だろ? てか、倒せなきゃ俺たちが死ぬ」


 俺の言葉を聞いたアリアは、絶句しているようだった。


 さて、悠長に話をしている時間はない。


 そろそろ本気を出すとしよう。


 もはや、力を出し惜しみしている余裕はない。


「体制を整えるぞ。出て来てくれ! ソラ、ダイヤ、コッコ!」


 俺は《収納魔法》で異空間に待機させていた召喚獣たちを呼び出した。


「基本的には俺とシーナで攻撃を仕掛ける。ソラたちは援護を頼む」


「はい」


「承知しました」


「お任せください」


 ソラたちに指令を出した後、俺は剣を構えた。


「じゃあ、行くぞ」


 俺はエンシェント・ドラゴンの正面に飛び込んだ。


 反応したドラゴンが前脚を動かし、鋭い爪で俺への攻撃を試みるが――


「なるほどな。パワーとスピードはなかなかだが、機敏さはいまいちだな?」


 この辺りが攻略法になりそうだ。


 俺はステータスの上昇により副次的に得た動体視力を駆使してさっと攻撃を避けた。


 どれだけ強い攻撃を仕掛けて来ようとも、当たらなければノーダメージなのだ。


 そして、俺は攻撃に転じた。


 ゲームなどで得た知識なので、現実でも通用するかわからないが、試してみる価値はある。


「よし、ここだ!」


 俺は、前脚の関節部分を目掛けて思い切り剣を振った。


 硬い皮膚を持つドラゴンといっても、全てが硬いわけではない

 可動部分が硬ければろくに動けないはずなので、容易に折り曲げられる柔軟性を持つはず。


 ザン!


 剣を振り終えると、ドラゴンの前脚が切断されたのだった。


 どうやら、俺の作戦は成功したようだ。

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