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第43話:レジンの推薦書

「よ、用意がいいな……」


 まさか三分クッキングばりの準備をしていたとは思わなかった。


 というか、誰が書いてくれたんだ?


 推薦してくれた冒険者は、アリアはともかく俺たちのことは知らないと思うのだが……。


「で、どう?」


 ジロっと圧をかけてくるアリア。


 なんだか、昨日とは違って今日はやけに積極的だな?


「そういうことなら、もちろん受けさせてくれ」


「渡りに船ですね」


「だな」


 俺たちが承諾の意思を見せると、アリアはホッとした表情を浮かべていた。


「じゃあ、早速この依頼書を見せてくるよ」


 俺は二人と別れて受付へ。


 ギルド職員に事情を話して、特別試験というものを受けられるか尋ねてみる。


「……ということなんだが」


「な、なるほど……! お、驚きました……レジンさんの推薦書ですか」


「有名な冒険者なのか?」


「ご、ご存じないのですか⁉」


「ま、まあ……ちょっと世間の常識に疎くてな」


 異世界から転移してきたなどと説明するのも面倒だし、適当に誤魔化しておく。


「レジンさんは、今最もSランクに近いと言われている有名なAランク冒険者なんです。実力的にはSランクにも引けをとらないと言われていますよ」


「そんなに有名人だったのか⁉」


 アリアがまさかそんなに凄い人と知り合いだったとは……。


「ええ。ですから、推薦人の条件はバッチリです。あとはこの推薦書が本物かどうかですが、ギルドの公証人印も……ついてますね! オッケーです!」


 ギルド職員は確認を終えると、手元のファイルをパラパラと捲った。


「現在受注可能なEランク冒険者向けの特別依頼となると……こちらですね。アーネス樹海での魔物討伐をご依頼させていただきます」


 依頼書が俺の前に置かれる。


 報酬は五万ジュエル。


 この金額の依頼は他になかったので、Eランク冒険者が受けられる依頼としては最高難易度なのだろう。


「アーネス樹海では、昨日カズヤさんたちが自主的に魔物を倒された場所のように、付近に比べて強い魔物が生息する地域です。ご注意ください」


「わかった。ありがとう」


 俺は依頼書を受け取ると、すぐに二人と合流。


 早速アーネスを出て目的地に向かったのだった。


 ◇


 俺たちは、いつものごとくソラの背中に乗せてもらって狩場へと向かっていた。


 目的地を見つめながら、シーナがポツリと呟いた。


「アーネス樹海って、少し緊張しますね」


「危ない場所なのか?」


「アーネス樹海は、近くのアーネス山からの濃い魔力が流れてくることによって魔物が強くなっていると言われているんです」


 そう言えば、ギルド職員もそんなことを言っていた気がする。


「アーネス山には、古竜が棲んでいると言われています。この山を訪れる人はあまりいないのですが、近くのアーネス樹海で戦っていた冒険者が行方不明になることがあるとか……」


「そ、それはちょっと怖いな」


 つまり、真相はわからないが、その古竜に食べられた可能性があるってことだろ?


 戦って勝てる相手ならいいが、ドラゴンというと強そうなイメージがある。


 できれば遭遇したくない。


「ま、まあ……あくまで噂ですから。さっさと依頼を終えて戻りましょう!」

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