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第42話:特別試験

 ◇


 翌日、俺たちは朝から冒険者ギルドへ来ていた。


 今日からはEランク依頼を受けられる。


「冒険者らしい依頼がたくさんですね!」


「だな」


 掲示板に掲示されている募集依頼は、Fランクとは様変わりしていた。


 Fランクの時には雑用などがほとんどだったが、Eランクになると討伐や採集、護衛、調査など戦闘力を活かした依頼が並んでいる。


「でも、報酬はこんなもんか」


「報酬は依頼の難易度に比例しますからね……」


 とはいえ、Fランクの時は最高だった三万ジュエルの依頼もチラホラ見かけるので、全体的な報酬は確実に上がっている。


 依頼報酬に加えて素材の回収もできれば、生活費としては十分以上の報酬が期待できそうだ。


「じゃあ、アリアが来るのを待って今日もパーティ向けの依頼を――」


 と言おうとした時だった。


「来たみたいだな」


 冒険者ギルドの扉が開き、アリアが建物に入ってきた。


「よく来てくれたな」


「……ん」


「早速だけど、今日受ける依頼を決めようと思うんだが――」


「ねえ」


 俺の言葉を遮る形でアリアが声を被せてきた。


「二人は特別試験って興味ある?」


「特別試験?」


 聞いたことのない単語が出てきたので、俺はシーナを見た。


「噂を耳にしたことはあります。既定のギルドポイントに満たなくても、達成すれば特例でランクアップができる試験のことでしょうか」


 なるほど、つまり飛び級試験ってことか。


「昨日の依頼とは違うのか?」


「確かに昨日の依頼では一件達成するだけでランクアップしましたが、あれは普通に既定のギルドポイントに到達したのでランクアップしただけです。特別試験とは違います」


「なるほど……?」


 いまいち違いがわからないが、わかったということにしておこう……。


 昨日の依頼でランクアップできたのは、依頼達成によるギルドポイントの他に達成時間や内容を加味したボーナスポイントを合わせてのものだった。


 達成すればランクアップが保障されている件の試験とは確かに性質が異なるのかもしれない。


 ともかく、昨日の戦いを振り返った感じだと、Eランクの依頼でもまだ俺たちの実力には合っていない気がする。


 できることならもっと手応えのある――すなわち高い報酬の依頼を受けたい。


「その特別試験ってやつ、受けられるもんなら受けたいけど、今日すぐに受けられるようなもんなのか?」


「確か、Cランク以上の冒険者の推薦がないと受けられないと聞いたことがあります」


「なるほど。じゃあ無理か……」


 と諦めかけていたところ、アリアが一枚の紙を俺たちに差し出してきた。


「推薦書もらってきたから、受けたいなら受けられる。どう?」

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