第20話:ステータス検査
女性ギルド職員が別室に来るよう誘導してくれる。
「試験頑張ってくださいね! 私、終わるまでここで待ってます」
「ありがとう。頑張ってくる」
ここでシーナと別れ、ステータス検査用の部屋に入った。
薄暗い検査室の中は、部屋中央に淡く輝く大きな水晶以外には何もなかった。
「それでは、これからステータス検査を行います」
ギルド職員は、右手を水晶に軽く触れた。
「このように、身体の一部を水晶に触れることで――」
水晶が輝きを増すと、上部になにやら文字が出現した。
「ステータスを確認することができます。これは、私のステータスです」
――――――――――
生命力:318
魔力:413
物理攻撃力:56
物理防御力:51
魔法攻撃力:69
魔法抵抗力:48
攻撃速度:50
移動速度:55
――――――――――
あっ、これ知ってる。
頭の中で念じることで確認できるステータスと同様の項目になっていた。
なるほど。
この水晶に触れることで、自分にしか確認できないステータスを他人にも見えるようにできるということらしい。
「ステータスが低いからと言って次の試験が受けられないというわけではないのですが、あまりにも低い場合は受験の継続は推奨いたしません」
「ステータスが低いと次の試験で落ちるってことか?」
「その通りです。まあ、ほとんどの方は大丈夫なのであまり気になさる必要はありません」
……と言われると、逆に心配になってくるな。
「あんたのステータスだとどうなんだ?」
「十分試験には合格できると思います。ただ、私程度では冒険者として実際に仕事をこなせるかというと自信がありませんが……」
リード村を出たタイミングで確認した時のステータスは余裕でクリアしていたはず。
心配することではないようだ。
「では、初めてください」
「ああ」
俺はギルド職員に促され、水晶に触れる。
すると、さっきと同様に上部に文字が出現した。
――――――――――
生命力:150
魔力:148
物理攻撃力:18
物理防御力:17
魔法攻撃力:17
魔法抵抗力:16
攻撃速度:19
移動速度:16
――――――――――
あれ?
なんかプラス表記が消えているような……?
などと悠長に思っていると――
「えっ……?」
ギルド職員の目が点になっていた。
「ど、どうしたんだ?」
「し、失礼しました」
ギルド職員は深呼吸し、申し訳なさそうな表情で俺を見つめる。
なんだか、嫌な予感がする。
「申し上げにくいのですが、このステータスでは……冒険者試験の継続はおすすめできません」
な、なんだって⁉
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