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第19話:冒険者試験

 ソラに揺られること約三十分。


 目的地の都市アーネスに到着した。


 アーネスに入った瞬間、しっかりと舗装された石畳の道路に変わったことにまず驚いた。


 丁寧に手入れされた綺麗な建物が並び、街路樹や噴水まである。


 景観にも気を使っているらしい。


 まるで、ファンタジー系MMORPGに出てくる景色のようだった。


 なお、俺の召喚獣たちは《収納魔法》により隠しているので、周りの人からは見えないようになっている。


「街って感じだな」


 事前に聞いてはいたが、今朝までいたリード村と比べればかなり人が多い。


 村人だけでなく、商人や冒険者など様々な属性で賑わっていた。


「アーネスはエアルディア王国第二の都市と言われていますからね! ここは生活するにも便利ですし、仕事もたくさんあります。なので王国中から人が集まるんです」


 日本で言うところの東京や大阪みたいなものか。


「まだ第一の都市があるのか?」


「王都ですね。でも、王都を除けばここが一番栄えていると思います」


「なるほど」


 そんな話をしつつ、シーナの誘導で街を歩くこと二十分ほど。


 シーナが足を止めた。


「あっ、着きました! ここが冒険者ギルドです」


 剣と杖が描かれた看板。


 その下にある出入口を冒険者と思しき装備の人たちが出入りしている。


「……なんか、本当にゲームみたいだな」


「げーむ?」


「……いや、なんでもない」


 この世界には、ゲームという概念がないので説明しようがなかった。


 ともかく。


 ここで試験を受け、合格すれば晴れて冒険者になれる。


 シーナによると、俺の実力なら十分に専業冒険者としてやっていけるらしい。


 気合いを入れて臨むとしよう。


「では、さっそく行きましょうか」


 扉を開け、冒険者ギルドに入る。


 ギルドの中は二階建ての吹き抜け構造になっており、ギルド職員や冒険者の大半は一階の空間に集まっているようだった。


 一階部分の左半分は大量の依頼書が掲示板に貼られている。


 対して右半分は冒険者が会議をするスペースになっているらしく、いかにもこれから冒険に出発しそうな冒険者が真面目な顔で話し合っている姿が確認できた。


 二階部分はゆらりと寛げそうな飲食スペースになっているらしく、何か飲み物を飲みながら談笑している冒険者が見える。


「カズヤさん、あっちですよ」


「ああ」


 シーナが指差すのは、奥の受付。


 ここでギルド職員が依頼の受注や清算、冒険者試験の手続きをしてくれるらしい。


「こんにちは。どのようなご用件でしょうか?」


「冒険者になりたくて。試験を受けたいんだが」


「試験ですね。今の時間でしたら……あっ、ギリギリ今日の試験にも間に合いますね。いかがされますか?」


 時計は十時三十分を指していた。


 偶然ではあるが、タイミング良く来られたらしい。


 俺は早く冒険者になりたいので、一日でも早く受験できるに越したことはない。


「それで頼む」


「承知しました。……それでは、さっそくステータス検査を行いましょう。こちらへ」

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