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第103話:地図に無い祠

 普段はいつも落ち着いているアリアがこんな反応をするのは珍しいな。


「んん……言葉で説明するのは難しいな。地図を持ってくる。少し待っていてくれ」


 マーカスさんは引き出しから古そうな紙を取り出すと、俺たちが見やすいようテーブルの上に置いてくれた。


「山の頂上近くの……ここだ。人が出入りしないから、今は多分草木が生えっぱなしになってるはずだ。最近の地図では省かれてる」


 村とこの場所の位置関係からすると、知らない間に訪れていたことはなさそうだ。


 まあ、そもそも人が歩けるような道がないとすると偶然通りかかることもないか。


「それにしても、どうして祠の場所なんか気になるんだ」


「ん、後で説明する。まずは、ちょっと調べる」


「調べる?」


 すると、アリアは目を閉じた。


 両手を合わせて、祈るような姿勢で集中すること十数秒——


「……っ⁉︎ ……ぐっ……かはっ!」


 アリアは、急に嗚咽したのだった。


 かなり苦しそうだ。


「ど、どうした⁉︎ 大丈夫か⁉︎」


 俺は、アリアの背中をさすりながら様子を確認する。


「祠の場所を探知して魔力を見てみた……物凄い魔力」


「そんなことができるのか⁉︎」


「……うん。思ってた以上に強くて、魔力酔いした」


 アリアがここまで言うということは、詳しい事情がわからないにせよ尋常ではない何かが祠にあるということは間違いなさそうだ。


「祠がダンジョンになってるってことなのか?」


「間違いなくそう。ここから漏れた魔力で魔物が強くなってるとしたら、辻褄は合う」


「なるほど」


 ということは、その原因を取り除くには、ダンジョンとやらを攻略しなければならない……ってわけか。厄介なことになってしまったな。


「まさか、祠がダンジョンになっているとは……。古い記録にも載っていなかった。……なかなか信じ難いが、そういうことなのだろうな……」


 マーカスさんも同様しているらしい。


 まあ、何十年……いや、もしかすると何百年も放置されていた場所にそんなものがあるなんて、普通は思わないよな。


 ん……?


 でも、よく考えるとおかしいな。立ち入りが禁止されるってことは、それなりの理由があったってことでもあるはず。


 昔の村人はダンジョンの存在を知っていたのか? あるいは別の理由があったのか? この辺りは少し気になるところだ。


「そういえば、どうしてこの場所ってどうして立ち入り禁止になっていたんですか?」

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異世界最強の全属性ヒーラー 〜ゲームのモブに転生したので、原作知識を駆使して世界最強の回復術師を目指す〜


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