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ここはどこだろうか
天国だろうか
自分のほほをつねってみる。
「・・・痛っ!」
どうやらここは現実だようだ
死んだはずではなかっただろうか?
死ねなかったのだろうか?
よく思い出せない。
覚えていることは、死ぬ間際に誰かが私の名前を呼んだことだ。
あれは誰だったのだろう?
「・・・お嬢様?!」
声がした方を振り向くと、
そこにいたメイドは死んだはずの私の専属メイドのサラだ。
この屋敷のなかで、私に唯一優しくしてくれた人だった。
サラは、私と仲良くしたという理不尽な理由で殺されてしまった。
なぜ生きているのだろう?
「お嬢様!お目覚めになられたのですね!!よかった...もう一生目覚めないのではないかと心配で心配でたまりませんでした!」
「・・・。」
「お嬢様?!なぜ泣いているのですか?!どこか痛むのですか?」
「大丈夫よ...サラ...心配してくれてありがとう。ただ目にゴミが入っただけよ。
それよりサラ、今日って何年何月何日だっけ?」
「お嬢様が倒れてしまってから4日経ちましたから、965年9月6日ですね」
965年?!私が死んだのが970年9月6日だから、ちょうど5年前に戻ったのか?!
そんなことありえるのか?
でも、それでサラが生きていることに納得がいくが...
・・・そういえば私の体がなんか小さくなった気がする。
もう、生きたくなかったのにな...
私がいるとみんな不幸になるから。
・・・サラだって私となかよくしたから死んでしまった。
私と関わらなければ、仲良くしなければ、死なずに済んだのに...。
「・・・ごめんね・・・サラ・・・」
「?お嬢様、なにか言いましたか?」
「なんでもないよ...サラ」
もし本当にこれが夢でないなら、本当に時が巻き戻っているなら、
神が存在して、時を巻き戻したのだとしたらなぜ時を巻き戻したのか?
神は私に生きろと言ってくれたのだろうか?
私にはもう生きる意味も、気力もないというのに。
・・・でも、私のせいで死んでしまった、仲良くしてくれたサラは死なせたくない。
だから、死ぬ運命であるサラを救おう。
そして、また死のう。
・・・もう誰も、私のせいで死なせたくないんだ・・・。
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そして、読んでくれてありがとうございました!!
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