難解
「意外です!!」
望が手を上げながら言う。
「何がだよ」
「あっさりあのおじさんの依頼をうけた。もしかしてタイプ?」
「違うよ、あのニュース知ってるんだよ」
「えっそうなの」
「ああ、犯人も捕まってる」
「ええ、じゃああの時に伝えればよかったじゃない」
「伝えられるかよ、ほら」
望は由梨から新聞を受けとる。
「これって…」
「そう、犯人は棟梁だってよ」
「な、何で」
「さあね、黙秘を続けてるみたいだし、もしかして邪魔だったんじゃない?」
「そんな理由?」
「人を殺す理由なんて大なり小なり色々だよ」
「そっか、それは確かに伝えられないね。どうするの」
「ほっとく」
「ええ」
「だって真実を知らない方がいいだろうよ」
「でもさ、あの人勘違いしたまんまじゃない。もしかして、その折り合いの悪い男の人を殺しちゃうかも知れないよ」
「…確かにそうだな」
「真実を伝えるべきだよ」
「…信じてくれないだろうなぁ」
私は頭を抱える。
「この新聞の記事を見せるしかないでしょ」
「本当に伝えるの?」
「なんでそんなに躊躇ってるの?」
「なんだか、悪い方向に行きそうな気がしてさぁ」
「悪い方向って?」
「だって、結局はその折り合いの悪いやつが間接的に絡んでるじゃん。棟梁はそいつを大事にしたかったんだから…そうなると結局復讐の目はその男に向きそうだし」
「確かに一理あるわね」
望は腕を組んで考える。
「でも普通は自分を殺した棟梁の方を恨まない?」
「でもあのおっさん、棟梁に気に入られていたって勘違いしてるから、棟梁ははめられたとか言いそうでさぁ」
「じゃあどうするの?」
「とりあえず、その相手の様子を見てみるか」
「場所知ってるの?」
「知らないけど何となくわかる」
「本当に?」
「ああ、付いてきな」
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