【風間琢磨(享年68歳)】
「まったくテレビをつけてもあの俳優の話ばっかでつまんねぇな。さっさと風化するかと思ったのに」
私は朝からぼやく。
今日は雨だから余計にイライラするのだろうか。
「そんなこといっても仕方ないよ。超有名人だったしね」
望が声をかけてきた。
「私には関係ねぇ」
私はテレビを消してソファーに横になる。
「それより成仏したのかな?私たちあそこにはあれから行ってないけど」
「さぁね、まだしてないかもよ、あの様子じゃあ」
「彼が仁さんを殺した原因を作ったのが自分ってことを認めない限り…か」
望が呟く。
そんな会話をしていると伯父がタバコを外で吸っていたのか部屋に入ってきた。
「よお、俺ちょっと東京に1週間ばかし用があるから留守番頼むわ」
伯父がいきなり言ってきた。
「はぁ?なんだよ。いきなり。東京に何しにいくんだよ?」
「内緒だよ。内緒」
にやりと伯父が笑う。
「まさか女の人に会いに行くとか」
望が目をキラキラと輝かせる。
「そんなたまじゃねぇだろ、どうせろくでもない用事だろ?」
「うるせぇな由梨。じゃあよろしくな」
伯父はさっさと出ていってしまった。
「東京かぁ、懐かしいなぁ」
「そうだな。まぁ私はどうでもいいけど。それより何か事件があったときにあのおやじがいないとめんどくさいんだよなぁ」
「なんだかんだ言って頼りにしてるのね」
「いや、そういう訳じゃ」
「まぁ、いいや。散歩行こうよ」
「ああ、そうするか」
雨だけど…まぁいいか。
私達はいつも通り散歩をするために外を出た。
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