ある俳優の死
「ふわぁぁぁぁ」
由梨が大きな声を上げながら扉を開ける。
「わぁぁぁ」
「なんだよ。そんなにビックリして」
「いや、休むって言ってたのに早かったから」
「ああ、横になったら、気持ちが落ち着いたからよ、何かしてたの?」
「ううん、何にも。テレビ観てただけだよ」
「そう、あれ?あのおっさんは?」
「パチンコだって」
「まったく」
由梨は呆れる。
「怒らないの?」
「別に好きにすればいいと思うし、パチンコ屋で情報収集してることもあるみたいだしな」
「あ、そうなんだ」
「どんな事件かねぇ」
由梨が伯父の机を覗く。
【安斉山町事件】
(何だ、やっぱり気になってんじゃん、今度また調べてみるか…)
するとテレビからニュース速報の音楽が聞こえる。
「なんだ?」
『本日、未明。川辺で俳優の真中仁さんと見られる男性の遺体が発見されたとのことです』
『繰り返します…』
「望、知ってる?この俳優」
「知ってるも何もこの町出身のスターだよ。ただ売れたのは最近だけど」
「へぇーそうなんだ。知らなかった」
「もう、少しはテレビ観たら?」
「観てるよ。ニュースは興味あるけどドラマとかバラエティは興味ねぇわ」
「なんかおばあちゃんみたいね」
「うるせぇな」
「ねぇ、そこに言ってみない?」
「えっ?」
「その俳優の遺体が見つかったところ」
「なんだよ、そいつのファンなの?」
「そういう訳じゃないけど」
「近いの?」
「うん、この町の川辺だって」
「んー。じゃあ行ってみるか」
「なんだかドキドキしちゃう」
「やっぱり、ファンなんじゃねぇか。でも成仏してたら会えないぞ」
「あ、そうか。まぁとりあえず言ってみようよ」
私達は現場に向かうことにした。
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