【真中仁(享年34歳)】
私がこの体になってから1年と3ヶ月程たったころだ。
「今日はいい天気だねぇ」
「そうだな、暑さとか感じられないのがちょっと残念だな」
「そうだねぇ、まぁ汗かかなくていいような気もする、あ」
「何?」
「そういえばさ、あれから公園には私も行かないようにしてたけど、やっぱりあの子はいるんだよね?由梨ちゃんを刺した男の子」
「多分な。確認はしてないけど。あいつ早くいなくなればいいのに。私の日課だったのによ。公園行くのは」
「でも、あの子。由梨ちゃんを殺そうとしたんなら今頃地獄行きかもよ」
「確かに…確認してみるか」
「えっ?行くの」
「望が言ったんじゃねぇか」
「言った?のかな。まぁいいや。慎重にね」
「はいよ」
そして、私たちは公園に着いた。
「いないね」
「そうだな…やっぱり強制的に消えたか…」
(いや、もしかしたら自宅で両親と共に苦しんでいるか…)
「よかった…ね?」
「まぁな。ここの公園で休むことができるのは良いことだ」
「ここの公園そんなに好きなの?」
「いや、嫌いだよ。さっきも言ったけど、ここは毎日通いたいところなんだよ」
「ふーん」
「興味なさそうだな」
「違うよ、詮索されるの嫌いでしょ」
「まぁね」
「友達でも、言いたくないことなんて沢山あるでしょ」
「友達か‥」
「え、何。そこに引っ掛かるの」
「いや、ちがうよ。私、友達いなかったからさ。あんたが初めての友達だよ。死んでからってのも残念だけどな」
私は望をちらりと見る。
望は目をキラキラとさせていた。
「もう一度言って。録音させてください!!」
「ば、やだよ。それに私たちの声は録音できないだろ」
「ちぇー。せっかくいい言葉聞けたのに」
「ふぅ」
「なんか元気ないね」
「そうか?久しぶりにここに来たからかな」
私は雄太君の顔を思い出す。
思えばあの事件から色々なことがあった。
もう1年…早いもんだな。
「ねぇ、大丈夫?」
望が顔を覗いてきた。
「ん、ああ、さてとそろそろ行こうか」
「うん」
望は不思議そうに私についてくる。
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