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【安斉山町事件(ショートストーリー)】

あのばあさんに刺されてから1ヶ月が経った。

気づいたら私の傷口は塞がっていた。


「ねぇ、伯父さん。この安西山町事件?凄いね」

私は新聞を見ながら言う。


「ああ、それな。連続殺人事件だろ。おい、まさかあそこに行こうとか言うんじゃねぇだろうな」

伯父がいつもより必死に止めようとする。


「言わないよ、でも車で行けば結構近いの?」


「遠い、遠い。俺には関係ない」


「何々?何の話?」


「ん、この町の話」


「あ、私聞いたことある。10年くらい前から人が毎年死んでるとか?町の呪いとか」


「へー、今度調べてみるかな」


「おいおい、深入りするなよ」


「しないよ、ただ調べるだけ、新聞によると引っ越してきたばかりの家族の父親が殺されたみたいだね、すげぇな」


「ああ、そうだな」

伯父はすでに生返事だ。


「殺されたとなると成仏できてないのかな?」


「そうかもな。まぁ呪いとかちょっと興味深いな」


「へぇ、意外だね。由梨ちゃんが呪いとか」


「そうか?まぁ自分自身がこんなだしな」


「確かに」


(お願いだから関わんなよ。あの事件はほんとうにヤバイ)


「パソコン借りるよ」

私はパソコンの電源を入れる。


「…」


無言の時はもう勝手にしろってことだ。


望と2人でパソコンを見る。


「あれ?全然でてこないぜ」


「ほんとだね」


「その父親の事件はでてるけど、呪いのことについては全然ないじゃん」


「えぇ、勘違いかなぁ」


「被害者は子供が2人いるのか。高校生と中学生だって」


「ええ、私達とあまり変わらないんだね。かわいそう」


「ちぇ、呪いなら面白いかと思ったのに」

私はパソコンを閉じる。


「不謹慎だなぁ、人が死んでるのに」


「まぁ、いいや。殺人事件なら犯人はすぐに捕まるだろ、私たちには関係ないや」


「そうだといいね」


「まぁ、これ以上増えたら一回言ってみようかな」

私はパソコンの電源を落とす。


「ダメだぞ」

寝てたと思った伯父が怒鳴る。


「はいはい」


「さてと、いつもの散歩に行ってこようかな」


「あ、私も」


2人は外に出ていった。


「やれやれ、迂闊だったな。この事件は闇が深すぎる…」

伯父は開きっぱなしの新聞をたたむ。


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