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逝きそびれ

どこだろう…ここは。


あ、そうだ。私はあのばあさんに刺されて…


私は成仏したのか…いや成仏したのに意識がある…不思議だな…


父さん、母さん。私はこんな中途半端に死んでしまった。


こんな死に方許してくれないよね。


あんなことをした私を…


「由梨ちゃん!!由梨ちゃん!!」


誰だろう。私を呼ぶ声がする。


ああ、望の声だ…

私は…


「死にそびれたか」

私は目を開ける。


「第一声がそれとはな…」


「由梨ちゃん。よかった生きてた」


「いや、死んでるけどな」


「なんとか止血して包帯でぐるぐる巻きにしたが、それで大丈夫か?」

伯父がたばこを吸いながらこちらを見ている。


「意識も戻ったから大丈夫じゃない?」

私はボケッとしながら答える。


「まったく、最近刺されすぎよ」

望が怒りがこもった声で言う。


「そんなこと言ってもよ、それよりあのばあさんはどうなった」


「あ、あのそれが…」


「ん?」


「殴り飛ばした」

望はモジモジしながら言う。


「はぁ?殴り飛ばした?いてて」

私はお腹を抑える。


「ごめんなさい、ついカッとなって」


「で、どうしたんだよ」


「わかんない、由梨ちゃんを助けるので頭が一杯で覚えてない」


「覚えてないって…」


「とりあえず、俺と望ちゃんで現場を確認してくるからお前はもう少し休んどけ」


「あいよ、さすがに今回は動けないわ」

私はまた横になる。


2人は車で現場に向かっていった。


私は右手を天井に向けて上げる。


やっぱりそっちには逝かせてくれないか…


私は目をつぶる。


私の意識は再び遠のいていった。


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