真実は?
「やっぱり解体業者だな」
「うん、あのおばあさんを止めないとだね」
「いや、このまま見張ってる」
「ええ、なんかあったらどうするのよ」
「その時はその時だよ、本当にあのばあさんがやってるのか…私はそれを知りたいんだ、証拠もなしに疑うのはよくないだろ」
「えっ、あんなにお前がやったんだろ感出してたくせに」
「あれはリアクションを見てたんだよ」
「えっ?」
「あのばあさん。私のこと覚えてなかった…」
「それって」
「ああ、認知症かもしれない、私とばあさんの会話を思い出してみろよ」
「…」
「噛み合ってなかったね」
「だろ。だから今までの妨害行為も覚えていないのか、それとも本当に何もしてないのか…それか認知症のふりをしているのか…」
「見届けるのね」
「ああ、でも認知症だとしてもあの家だけは守ろうと必死だから多分…」
「見てから決めましょう」
業者の人たちはぶつぶつと文句をいいながら作業を始めようとする。
そりゃ文句のひとつも出るよな。
呪われた家なんだから。
視線をばあさんに戻す。
「あれ?ばあさんがいないぞ」
「え?本当だ」
業者が建物の中の物をどんどんと出していく。
「なんだ、ゴミばかりじゃねぇか」
「くせぇし、こんな仕事嫌っすよ」
「くそ、早いとこばあさんを探さないと」
「あっ、いたよ。由梨ちゃん」
「げっ、ばあさん。何か持ってるぞ」
「包丁だよ。由梨ちゃんどうする」
「どうするも何も止めるっきゃねぇだろ」
「止めるってどうやって」
「考えてる暇はねぇ」
私たちは急いでばあさんのところに走っていく。
ばあさんの顔は無表情だ…やっぱり無意識にやっているのか?
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