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もうひとつの結末

「あのくそおやじ。いつのまにこの事件に関わってたんだ」

私はイライラしながら歩く。


「びっくりしたね。私たちが何かしなくてもおじさん一人で捕まえられてたのかもね」

望も流石に苦笑いだった。


「それにしても涼太君は成仏できたのかな?」


「さあ、どうだろうな、家のことと家族の顔を見てちゃんと反省すれば成仏できると思うけど」


「とりあえず公園に行ってみる?」


「そうだな」


するとベンチに涼太が座っている。


「成仏してないじゃない」


「そうだな」


「とにかく話を聞きましょう」


「おい!何でお前ここにいるんだよ」


私の声に気づいた涼太が顔を上げる。


「ああ、ヤンキーのお姉さん」


「ヤンキーじゃねぇ、それより家見に行ったんだろ」


「ええ、行きました。酷いもんですね」


「何を他人事みたいに言ってるんだ」


「いえ、まさかあんなことになってるなんて…知ってて行くように言ったんでしょう」


「ああ、誹謗中傷の落書きが酷かったろ」


「違いますよ、両親の顔を見てこいって言ったでしょ」


「ああ、言ったな」


「2人とも首を吊って死んでましたよ」


「えっ!!」

望は思わず声を出す。

私は黙って涼太の話を聞く。


「両親は僕のストーカー行為に気づいていたんです。それを止めるにはどうしたらいいのか。ずっと悩んでたみたいです」


「…」


「そして、僕に天罰が下った。僕を一人で逝かせないために二人も後を追ってくれたんです。全部僕のせいだ、だから神様は僕を成仏させてくれない」


「そうか…それは残念だったな」


「由梨ちゃん」


「こうなったら私たちには何もできないよ、あんたは自分のしたことを一生後悔し続けるしかないんだ」


「助けてくれないんですね」


「ああ、あたりまえたま。まぁ変なことはするなよ。良いことをすれば…反省の意思を見せればいつか成仏できるかも知れないしな。じゃあな」

私はそう言って公園を後にする。

望は慌てて追いかける。


「まさかこんなことになるなんて」

望が暗い顔をする。


「仕方がないよ。あいつが成仏できないのはまだ自分の罪の重さに気づいていないから‥」


あの日、一人で涼太に会いに行く前に涼太の家に行った。そこには首を吊った両親がいた。

その足元には成仏出来ていない両親がいた。


私はそこで二人から依頼を受けた。どうかこの家の現状と私たちの遺体を見せてあの子に反省させて欲しいと。

だからあの日私は家に涼太を無理やり連れていき両親の顔を見に行くように涼太に言ったのだ。

ふっ、私も伯父と同じだな。


「何だか、すっきりしないね」


「死者は自分の罪を自分で解決するしかないし、生きてる人は自分の罪をちゃんと償うチャンスがある、どっちも自分次第だよ」


「そうだね…いつか成仏できるといいな」


「…そうなればいいけどな」


恐らく涼太の両親も成仏していないだろう。


涼太はまだ自分の愚かさに気づいていないから…



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