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近藤 涼太(享年13歳)

私と望は2人で散歩をしていると、公園のベンチに年下か?中学の制服を着た男の子が座っていた。


「あの子も死んでるんだよね」

望が言う。


「そうだな、まだ若いのにな…」


「私たちも若いでしょ」

望が呆れる。


「何だか気になる」

私は男の子に近づいていく。


「え、関わるの?若い男の子だから?」


「な、ちげぇよ。私は自分の直感で関わるか決めてるだけだ」


「本当?由梨ちゃん。世の中の大人に敵意むき出しだから選んでるんじゃないの?」


「違うって、じゃあお前行ってこいよ」


私たちが揉めていると、それに気づいたのか男の子が近づいてきた。


「あ、あの。2人は僕が見えますか?」


「「え、はい」」

私と望は声を揃えて返事をした。


結局私たちは話を聞くことになった。


「それであんた、いくつ?なんで死んだの?」


「ちょっともっと優しく聞いてあげてよ」


「えっと13歳の中学1年です」


「なんだ、私たちと2歳しか変わらないのね」

望が言う。


「で、何で死んだんだよ」


「ちょっと聞き方!!」


「うるせぇな、私はこういうしゃべりかたなんだよ」


「えっと、殺されました」


「は?誰に」


「通り魔です、学校に行く途中で刺されました、最初目が覚めたときは夢か、異世界に転生したかと思ったけど成仏できなかっただけでした」


「何を言っているんだこいつは?」

私は望に助けを求める。


「ああ、今流行り?殺されたと思ったら異世界転生したとかそういう話の本があるのよ」


「知らねぇな、そんなの。あとその通り魔事件も」


「え、ニュースになってないんですか?」


「ああ、こう見えて毎日新聞は見てるけどそんな事件知らないぜ」


「あなたが見てるのは番組表とコ○ちゃんなんじゃないんですか?」


「なんだと、てめぇ。ケンカ売ってるのか」


「いや、だってヤンキーだし」


「ヤンキーじゃねぇよ」


「まぁまぁ由梨ちゃん。落ち着いて、ねぇ、どこで通り魔に合ったの?」


「あそこの中学校に向かう道です」


「それはいつ?」


「今日です」


「なんだよ、じゃあ新聞に載るわけねぇや」


「じゃあテレビではやってるんじゃない?あとスマホで見れるかも」


「そうだな」


私はスマホを出す。


【本日、フードを被った男に中学生数名が死傷される事件が起きました。犯人は中肉中背の男と目撃者の証言があります。犯人は現在も逃走中です】


「なるほど、あんた以外にも死んでるやつがいるかもな」


「あ、ねぇ、亡くなったのはえっと…」


「あ、涼太です」


「涼太君だけみたいね」


「お前ついてねぇな」


「由梨ちゃん」


「なんで僕だけ」

涼太は肩を落とす。


「まぁこうなっては仕方ないよな。犯人が捕まるのを待つしかねぇよ、通り魔ならすぐに捕まるだろ」


「僕は成仏できないんですか?」


「私の経験上、この世に未練がなくなれば成仏するみたいだぞ」


「未練か…」


「なんかあるのか?」


「今日僕、好きな人に告白しようとしてたんです」


「ええ、そうなの?かわいそう」


「…望、私こういうの苦手」


「ああ、由梨ちゃん。恋愛とか興味なさそうだもんね」


「私、現場に行ってみるから。望、こいつの話聞いてやってよ」


「うん、わかった。気をつけてね」


「大丈夫だよ、私の姿は見えないから」

私は現場に向かって歩き出す。


望なら話をちゃんと聞いてやるだろう。うまく行けば涼太も成仏するかも知れない。


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