小林由梨の2年目
私の朝のルーティンは決まっていた。
朝起きたら、軽くストレッチをして外にでる。そして新聞を回収して、伯父の机に置く。
そして、カレンダーにサインペンでチェックをする。
「ねぇ、カレンダーにチェックってどういう意味があるの?」
「あ、ああ。私がこの体になってからどのくらいたったか何となくチェックしてんだよ、何となくね」
私に話しかけてきたのは、1ヶ月ほど前に自殺をして成仏できなかった、中学時代の同級生の山下望だ。
何だかんだあって、今は同居している。
伯父は文句を言ってたが、めんどくさくなったのか、了承してくれた。
ちなみに伯父には望は見えないらしい。
「それで、どのくらい経ったの?」
「うん、1年と1ヶ月か。早いもんだな」
そう言いながらもこの体がいつ消滅するかもわからない。その恐怖は今でもある。
「でも何だか寂しいよね、ご飯も食べられないなんてさ」
ぷぅとクッションを抱きながら望はぼやく。
「まぁね。でもここにいてもろくなものがどうせ食べれないし、私はもう慣れたよ、それより早く起きろよ」
「そういうものなのか~」
伯父は新聞を顔に被せたまま寝ている。
「ほんとこの親父はいつ仕事してるんだ?」
「そ、そうだね。私もおじさんが働いてるのここに来てから見てない気がする」
「まったく、さてと散歩でも行こうかな」
「あ、私も行く」
私のルーティンで変化があったのは毎日の散歩に望が追加されたことだ。
本当は1人でいる時間もほしいが…
「そういえば、あんたを殺そうとしたおっさん。あれから見ねぇな」
「そういえば、そうだね。神様に怒られて地獄に落ちたとか?」
望は明るい。こいつはいつも前向きだ。
「まぁ神様がいるならそれもありえるな…」
だとしたら何で私は放置されているのだろう。
「由梨ちゃん、由梨ちゃん」
「あ、ああ。何だよ」
私はボーッとしてたらしい。
「あそこ、あそこの路地に誰か見えるよ、多分私たちと同じ…」
「そうだな、まぁ別にほっとけよ、前にも言っただろ、一人一人に構う気はないって」
「はーい」
望は不満そうについてくる。
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