父親との接触
「ただいま」
帰るなり私は家にある新聞を探す。
あいつが飛び降りたのが2~3日前だよな。
そのあとに死んだとしたら昨日、一昨日の新聞か…
私は新聞をひたすら読み漁る。
伯父は椅子に座ったままグーグーとイビキをかいている。
あった!!
「山下悟さん(50)が勤め先の会社ビルから飛び降り自殺。現場には遺書が残されており、娘が自殺をした事は自分のせいだとかかれていたとのこと」
「やっぱりあいつがきっかけか…」
どうする?この記事を見せるか?
でもそんなことしたらあいつは後悔して成仏しないか。
とりあえず、この会社に行ってみるか。
私は伯父の方をみる。
まだ寝てる…
仕方ない。歩いて行くか。そこまで遠くなさそうだし。
家から出て、一時間程が立った。
見通しが甘かった。思っていた以上に望の父親の会社は遠かった。
まぁこの体は疲れないからいいけどさ。
あれか。私はやっと現場に着いた。
娘の自殺を後悔して自殺をしたのであれば…おそらく成仏はしていないだろう。
私は自殺の現場に近づく。
いた、40代~50代に見えるサラリーマン。
私と同じ存在の…おそらくあれが望の父親だろう。
「おっさん、こんなところで何してるの?」
「なんだね、君。その口の聞き方は…あ?私が見えるのか?」
「ああ、見えるというか、あんたと同じ存在だからね」
私はもう慣れたように言う。
「そ、そうなのか」
「おっさん、何で自殺したの?」
「そこまで知っているのか?」
男は驚く。
「ああ、あんたの娘に会ったからね」
「なんだと、じゃあやっぱり」
父親はひどく落胆する
「やっぱり?言っている意味がわかんないけど、あんた娘に暴力振るってたんだろ」
「…そうだ」
「それで自殺されて、自分のせいだって遺書を残して自殺するなんて卑怯だね」
私はこの親父にイラついていたことをぶちまけてやった。
「そうだな、君の言う通りだ、私は許されない」
「そうだろうね、娘に何か伝えることはない?内容によっては伝えてやるよ」
「え…そうだな。今まですまなかったと…」
男は本当に申し訳なさそうにしている。
「気が向いたら伝えてあげるよ」
私はその場を去っていった。
ふぅ、あれは成仏はできないな…
あの親父の伝言を伝えたら望も成仏できなそうだし。
まぁあの親父は成仏しなくてもいいだろう。
でも望は成仏させてあげたい…
困ったな…
第一部はそろそろ完結です。お読みいただいてくれると嬉しいです。もしよろしければブックマークや、評価いただけるとうれしいです。




