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父親の死

翌日、私はぶらぶらと散歩をしていた。

望はずっとあの現場にいるのか?

いや、考えるな。あいつのところに行くとろくなことにならない気がする。


「でも、あいつを成仏させてやった方がいいのか」

私は独り言のように呟く。


しかし、あの後父親はどうしたのだろう。

はぁ、私はため息をつきながら望のところに向かった。


望は私に気づいたのか、ぱぁっと明るい顔になり私に近づいてきた。

犬みたいなやつだな。


「来てくれたんだね、由梨ちゃん」


「あ、ああ散歩してただけだよ」

私はそっぽを向く。


「ありがとう」

私の手を掴む。

やっぱりこいつの距離感は苦手だ。


「ねぇ、今日も誰かを助けるの?」

望がワクワクしている。


「別に誰も助けないよ。むしろそういう類いのやつとは会いたくない」

私はそう言いながらも望に会いに来た自分はバカだなと思う。


「そうなの?せっかく手伝おうと思ったのに」

望は残念そうな顔で言う。


「それよりさ、あんたの父親どうなったの?」


「えっ」

突然の質問に望は固まる。


「だって、あんた父親に見せつけるために自殺したんだろ?親父がどんだけパニックになったか見たいからここにいるんじゃねぇのか?」


「ううん、別にどこに行っていいかわからなかったからここにいただけ」


「ふぅん、親父は?」


「お父さんは帰ってこないよ」


「は、どう言うこと?」


「私が自殺したあと、あいつも会社から飛び降り自殺したんだってさ」

望はあっさりと言う。


「え、何で…」


「知らない、会社で嫌なことでもあったんじゃないの」

さっきまで犬のように懐いてきた望とは思えない。


「あんたが死んだからそのショックなんじゃないの?」


「そんな訳ないじゃん、私が死んで精々してたはずだよ、あいつ」

望の顔はどんどん怖くなる。


「そう、色々あるんだな。あんたの親父の会社ってどこ?」


「え、もしかして現場に行くき、止めてよ」

急に望の言葉が強くなる。


「行かないよ、ただ聞いただけ」


「本当に行かないでよ」

望は念を押してくる


「うるせぇ、行かないって言ってるだろ」

思わず、イラっとしてしまった。


「じゃあ、教える必要もないわよね」


「…」


「帰るわ」

私は望を置いて家に帰った。


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