表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/178

ケース5 小林由梨と山下望

私が死んでからあと1月もすると1年がたとうとしていたときのことだった。私はいつものように目を覚ますとすでについているテレビのニュースを見た。

「15歳の中学生が自宅マンションから飛び降り自殺を図りました。自宅からは遺書もみつかりました」

私と同い年か。自殺・・・いじめか何かかな


「いやだねえ、最近は若い奴の自殺が多いな」


「まったくそんなに早く逝くなら私に若さを欲しいわ」

管理人のおばちゃんは当たり前のように部屋にいた。


「そういえば、あれから炎上は終わったんかい?」

ソファーに寝転んでいた伯父がおばちゃんに話した。

「まあ、なんとかね。でも、私は諦めないわよ」

そう言っておばちゃんは帰っていった。

私はおばちゃんが出て行ったのを確認して伯父に話しかけた。

「ねえ、さっきの自殺の話。いじめ?」


「いや。さっき別の番組で言ってたが遺書の内容は親父の虐待が原因でだとよ」


「え、そうなの。てっきりいじめかと思ったよ」

私は思わず、驚いた。

「そうでもねえぞ。全国で虐待による自殺なんて珍しくもない。まあ、おまえの親父はそういうやつじゃねえからわかんないかも知れないけどよ」

めずらしく伯父から父親の話題がでて一瞬戸惑ってしまった。

「まあ、親父は私に興味がなかっただけだよ」

そうだ、私の親父は私が何をしようと口出しをすることはなかった。


「そんなもんかねえ」


「それよりさ。この自殺現場って近くのマンションじゃん」


叔父がソファーから起き上がった。

「おい、まさか現場にいってまたやっかいごとに首突っ込むつもりか」


伯父はこの1年で私が体験したことを踏まえて忠告してきた。


「大丈夫だよ。だって自分で選んで死んだんだろ。成仏してるでしょ。じゃ散歩に行ってきまーす」

ったく。伯父はタバコに火をつけてそれ以上は何も言ってこなかった。


お読みいただいてありがとうございます。ブックマークや、評価いただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ