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本当の理由

俺は鍵を開けて由梨と二人で部屋の中に入る。


「すげーな。ちゃんと片付いてるぜ。ここで殺人事件が起きたとは思わねぇな」


「ほんとあんたってデリカシーがないね」

あんたって…弟よどういう育て方をしたらこんな口の悪い娘が育つんだ。


俺はポケットからタバコを取り出して口に加えた。

「ちょっと、せっかく掃除をしたのにタバコの匂いがつくでしょ」

由梨は俺のタバコをひったくった。

こういうところは真面目だ。見た目はこいつも吸ってそうな感じなのに。まったく弟よ・・・


「よし。帰ろう」

由梨は何かを確認することなくそう言った。


「はぁ? 下見に来たのにもう帰るのかよ。何にも確認してねぇじゃねぇか」


「だって、私が欲しかったのはそれだもん」

由梨が指を指す方向には俺が手に持ってるこの部屋の鍵だった。


「なら、わざわざ来なくてもよかったじゃ・・・」

由梨は俺を見つめていた。


「何にもねえ、それじゃあ帰るとするか」


由梨の目的は下見じゃねえ。あの母親へ事実を伝えるためと、あの部屋の子が成仏しているかを確認するためだったのだ。

俺は車に乗るとタバコに火をつけた。


「死んで唯一良かったのは匂いがわからないことだね。もし分かってたらタバコ臭くて伯父さんと一緒になんか居られないよ」

由梨から冗談話がでるのも珍しい。俺はタバコをふかしながら車を走らせた。


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