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営業お願いします

しばらくして伯父に呼ばれた管理人のおばちゃんがやってきた。

「光一ちゃん、おいしい話ってなによ」

鼻息荒くおばちゃんが伯父に聞く。


「ああ、例のヨウチューバーいつ来るんだっけ」


「来週から来るわよ」


「そっか、そしたらそいつのために俺があらかじめトリックをしかけてやるよ」


「トリック」

おばちゃんは不思議そうにする。


「そうそう、つまりはやらせってことだ。でもそのヨウチューバーの目的は事故物件に済んでみたってやつだろ。だからトリックで動画のお手伝いってわけだ」


「なるほど、そうすればその子が有名になってうちのアパートも有名になるってことね」

おばちゃんの目がキラキラしている。


「そうそう、そのかわりひとつ俺の手伝いをしてほしくてよ」


「あら探偵のお手伝い?いいわよ。人探し、尾行?」

おばちゃんはノリノリだ。


「ある地域にあのアパートのチラシを持って営業してほしいんだよ」


「え?手伝いも何も私に得しかないじゃないの」


「そこの地区はひとり暮らしのおっさんや、若い家族たちが多いからあのチラシをもって営業してほしいんだ。事故物件とはいえ、家賃の安さに食いつくと思うんだよ。特に一人暮らしのおっさんとかはいいカモだと思うんだよ」

伯父はペラペラと表向きの理由を話す。


「わかったわ、私がんばっちゃうわ」

おばちゃんの鼻息はまた一段と荒くなっていた。

私は二人の会話を聞いてふと思った。もしヨウチューバーが動画を上げたときに心霊現象を起こしたら。そいつは恐怖で出ていくのではないだろうか、それこそ本当に誰も住まなくなりそうだ。そしたらあのアパートはいよいよ終わりだな。ふと伯父の顔をみるとにやりと笑っていた。こいつわかってたな。


私は今さらながら提案したのを少し後悔した。

でも仕方ないか…

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