孤独死
いかにもな頑固親父だ。
「なんだよ、いきなり」
私の言葉遣いも良くない。
「まったく最近の若者は言葉遣いもなってないな」
「なに?用がないなら私はいくよ」
私は無視して歩き始めた
「ちょっとまて、おまえワシが見えるのだろう」
おっさんは少し慌てた。
「おまえじゃない、由梨って名前がある」
「それよりちょっと力を貸してくれないか」
「はぁ?力?内容にもよるけどなにさ」
私はしかたなくおっさんのところに戻った。
おっさんの家に入り扉を開ける。
言葉が少ないので何をもとめているのかわからないので私もあとに続く。
「これだ」
私はぎょっとなった。
そこにはこのおっさんが腐乱した状態で死んでいた。
「ちょっと、あんたまだ発見されてないの?これいつからよ」
私は思わず問い詰める。
「あんたじゃなくて拓馬だ」
「そんなのどうだっていい」
「かれこれ一ヶ月まえくらいか」
「家族はいないの?」
「母ちゃんは2年前に死んだよ」
この様子だと近所づきあいなどもしてこなかったのだろう。これはいわゆる孤独死ってやつなんだろう。
でも今回は簡単そうだ。
伯父に知らせて通報してもらえばいい。
「えっも、私の伯父には私のことも見えて会話もできるから伯父に言って通報してもらうよ」
私は端的に伝える。
「いや、それじゃだめだ。俺は妻が死んでから必死に近所づきあいをしてきたのにだれも俺を見つけてくれない。俺はそれが腹が立って仕方ないんだ。まったくやな世の中だ」
めんどくせえ。私の率直な感想だ、
「なんだよ、じゃあどうしてほしいのさ。このままだとずっと放置されるよ」
「だから近所のやつらに俺を見つけてもらうように力を貸してくれといっているんだ」
「今、初めて聞いたよ」
私は呆れてしまった。通報すれば簡単なのに。でもこのおっさんはそれでは成仏できないのだろう。
「じゃあ私はいったん近所の様子をみてくるよ」
これ以上一緒にいたら頭が痛くなりそうだ。
しかしどうしたものかな。近所の様子をみるとおっさんの家以外は新築だらけだ。
どうやら近所の人たちは若い人たちのようだな。なるほどそうなるとこのおっさんは近所づきあいをがんばっていたといっていたが疎まれていた可能性があるな。
とりあえず私は一度家に帰って伯父に相談することにした。
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