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いつの日か

翌日私は警察署の前にいた。

旦那は果たしてどうなっているのだろうか。しかしあったところで何を話せば良いのかわからなかった。

ちなみに不倫相手が家捜ししていたことは伯父に報告し、後日窃盗の容疑で逮捕されている。だが別にそれを伝えに来たわけではない。

私は旦那がいるはずの取調室に入った。

いた。以前よりもいっそう暗いオーラを出していた。この人はもう成仏も許されないのだろうと私は思った。

「あの」

私はためらいながらも声をかける。

声をかけられてはじめて私の存在にきづいたようで顔を上げる。

「ああ、君か。あの日君がこないから一人で妻のもとにいってきたよ」


「それで・・・私を恨んでいますか?」

私は恐る恐る聞いてみる。


「そんなことはない、むしろ妻にあそこまで罵倒されてよかったと思っているよ、妻は成仏できたのかな?」


よかった?その感情は私には理解できなかったが、こう続けた

「旦那に言いたいことをすべて言えてすっきりしたと言ってました。で、私にあなたと会うきっかけを作ってくれてありがとうと笑顔で逝きましたよ」

男はふっと笑い

「そうか、よかった。君のおかげで妻は無事成仏できた。ありがとう」


「あなたのおかげでもあると思います」

男はえっとびっくりした顔をした。


「だってあの日私はあなたを迎えに行かなかった。自分の意思で奥さんに会いにいったんでしょう?その結果奥さんが成仏できたのなら私はきっかけに過ぎません」


「そういう考えもあるのか。君は若いのにしっかりしているね」

「生意気なだけですよ」


「私は成仏はできないだろうけど少し気持ちが楽になったよ。ありがとう」

私はなんて返していいかわからず会釈をしてその場をさった。

もしかしたらあの人はいつか成仏できるのかもしれない。そんなことを考えながら警察署をでた。私の横をあの斎藤刑事があわてた様子で走っていった。また何か事件かな?

私は空を見上げた。今日は雲ひとつない青空だ。今日はいいことがあるといいな。私は家に向かって歩き始めた。


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