潜入捜査
「おお、帰ってたのか」
寝ぼけた声で伯父が話しかけてきた。
「うん、またお酒飲んで寝てたね」
「いいじゃねえか、特に仕事もないんだし」
「ないんじゃなくて探せよ」
「女の子はもっと美しい言葉を使うんだぞ」
「うるせえ、親父」
私は自分の部屋に入った。
どうしてもあの今日会ったおばさんが気になってしまう。仕方ない明日も会ってみるか。
翌日、私は目を覚ました。
伯父はまだ寝ているようだ。
この人はいつ働くんだろうか。ポストにおいてある新聞を取って伯父の机に置いてやる。そして私はあのおばさんの元へ向かった。
「あら、またきてくれたのね」
私はうなずいておばさんの隣に座る
「あの人私がいなくて家事ができているかしら。仕事一本の人だったから炊事洗濯はまったくやったことないのよ。心配だわ」
私の頭から声がする。
関わるな、聞いてはだめだ
「あの、おばさんは旦那さんが心配なんでしょう?見にはいったんですか?」
「いいえ、行ってないわ。だって行ってあの人が何もできてなくても私は何もできないのよ」
たしかにおばさんの言うこともわかるが一度見に行くくらい良い気がするが…
私の頭からまた声がする
聞いてはだめだ、関わるな
「あの、よかったら私が様子をみてきましょうか」
私の中にあるおせっかいと言う本能が動く
おばさんは黙る。少しの沈黙を置いて
「そうね、そうしてもらおうかしら。住所は○○○の一軒家よ」
「わかりました。あの・・・もし悪い報告になっても大丈夫ですか?」
「気遣いありがとう。大丈夫よ。あの人のことだから良い報告に決まってるから」
私はにこりと笑い、教えてもらった住所に向かった。
ここか、建物は古かったが大きな家であった。しかしどうやって入ろうか。
私は開かないと分かっていながらも玄関の引き戸を開けた。すると引き戸が動いた。
開いている。ラッキー。これならすぐに旦那の様子をみて終わりだ。私は緊張しながら家に入る。
いくら人には見えないとはいえやはり他人の家に入るのはなんだか嫌だ。
誰にも聞こえないがお邪魔しますと小声でいいながら私は家に入った。
家の中は洗濯物やら食器がそのままだ。奥さんが心配した通りの状況といったところか。
しかし旦那の姿が見えない。私は一通り部屋を散策したが一向に気配がない。いない?なんで
するとトイレから水が流れる音がした。私は思わず身を構えた。トイレにいたのか。しかし私が想定していた人物とは違う・・・30代くらいの女性が出てきた。
「さて。入ったはいいけどどこから手をつければいいのやら」
女性は独り言を言っている
この女性は誰だ。・・・そうか娘か。事態を見かねた娘が家を片付けにきたのだろう。
しかし旦那はどこにいったのだろうか。これではあの人に報告ができない。ひとまず家に戻ってこの事件をもう少し調べる必要がありそうだ。私は玄関から外にでた。
その音に女性が声を出したようだが振り向かず私は家に帰った。
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