侵入
翌日、私はあのアパートにいた。
あのときの記憶がよぎる。私はまたここで扉が開くのを待っている。父親と息子の死因。そして安藤小百合。もはや疑う余地はないだろう。しかし分からないのはなぜ世間のバッシングをあびながらも会社相手に訴訟をしているのか。労災による慰謝料はかなりの額になるとネットでは書いてあった。それが目的か。
つまり今回の件は母親とあの安藤小百合の共謀だ。父親と息子の生命保険そして労災による慰謝料これがあの母親と小百合の目的であろう。しかし予定が狂った。小百合は逮捕された。
しかし一度訴訟を起こしてしまった母親は引き際がわからなくなり今も訴訟を続けている。
いやもしかしたら本当に勝てると思っているのか。
もしこれが真実だとしたら息子さんにこれが伝わるのはあまりにも不憫だ。まずは父親に生命保険がかけられていたのかその担当者が小百合なのか。そして二人の死因が病気ではなく殺人によるものなのか。それを暴かなくてはいけない。
すると扉が開いた。私は前回と同じ要領で部屋に入った。
母親は私が部屋に入ったことに気づいていない。
さてと、まずは書類探しだ。
こないだ見たようにまずは息子の生命保険の書類だ。中身をみるとかなりの額がかけられている。次は父親の書類を捜さなくては。
しかしいくら探してもみつからない。
よくよく考えてみたらこの部屋は息子の部屋だ。父親の生命保険の書類があるはずがないか。では死につながる証拠はあるのか。
私はあの時の記憶を思い出しながらベランダにも一応出てみた。
ベランダには紫色のきれいな花が咲いていた。部屋の状況にしては花だけはしっかりと世話をしているのか…不思議な感覚だな。私は念のためその花を写メしておいた。
訴訟についての書類も見てみたが中学生の私にはよく分からないことが書かれている。弁護士の名前も写メしておいた。あとで伯父さんに調べてもらおう。
他に目ぼしいものはないかな…
しかし、あの息子もこの書類には目を通してるはずだよな。何にも疑問を持っていないのか?
私は特に収穫なく部屋を出ていった。
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