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争う理由は?

私は布団の中で考えていた。

確かに伯父の言うとおり他人がどうこうできる問題ではないのだろう。ならなぜ母親は争うのか。争うことで世間からバッシングを受け続けていてはそれは息子も今すぐやめさせたいだろう。私でもそう思う。

明日、あの人にあってもう少し話を聞いてみることにするか。私は気づいたら気を失っていた。


翌日私はあの公園に向かった。あの男の人が座っていた。


「やあ」

男はにこりと笑う


「お兄さん、お母さんはなんで裁判を続けるの?」

質問がいきなりすぎたか…


「なんでだろうね?ぼくの無念を晴らしたいのかな?そうだよかったら僕の部屋にくるかい?僕の部屋は母ちゃんがそのままにしているからそこで話そうか」

男の部屋に一人で入るのには抵抗があり思わず黙る。

「あ、別に変な気持ちはないよ、部屋には母ちゃんも多分いるだろうし。今はまだ寝てるかもだけど」


正直部屋には入りたくなかったが母親の顔を見てみたくなり私はついていくことにした。

ついていって私は早速後悔していた。

男の住んでいたアパートは・・・この間の事件があったアパートだ。


「そういえばここのアパートこないだ凄惨な事件があったんだよ、あの子かわいそうだったな」

私は思い出して涙が出そうになった。今すぐにでも帰りたい。


「あの?鍵は開いているんですか」

男は鍵をだした。

「死んでいたときに身に付けていたからなのかこの鍵は普通につかえるみたいなんだよね」

男は鍵をゆっくりあけた。中にいる母親に配慮したのだろう。

部屋の中には裁判の書類やら息子とのメールを印刷したものなどが散乱していた。

台所をみるとスーパーで買った弁当やカップめんの空き箱が置かれていた。


「なんだか、まともに生活できてないみたいですね」


「そうなんだよ、一日の大半を僕のことに費やして自分のことは・・・」


「お母さんは一日何をしているんですか?」


「SNSを使って賛同者を集めたり会社に直談判しにいったりで警察にも散々迷惑をかけているよ」


よく見るとお酒のビンも転がっている。


「母さんの気持ちも分からなくはないんだ、去年父さんも死んで僕までこんなことになってさ」

伯父の言うとおりだ。

これは私たちにどうにかできる問題ではない。私は足元に散らばっている紙をなんの気なしに見た。生命保険のパンフレットだ。担当者の名前をみて私は驚愕した。

[安藤小百合]


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