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脱走

病院に1人の少女が寝ている。


あの男を見失ってからすでに2ヶ月近く立ってしまった。

あの森にも行ったがどこにもいない。


あの後わかったことは学校で殺された保険医はあの男の叔母にあたる人物だったそうだ。

スーパーの連続殺人については関連性がわからないままだ。


ここで待ってればあいつは来ると思ってたんだけどな。


この2ヶ月間は伯父と連絡を取り合いながら事件の整理をしていた。


そういえば望に連絡してねぇな。

メールだけでもしておくか。


しかし、沙夜だっけか。精神壊れちまったな…

まぁ無理もないか。


彼女はあれから毎日看護師から食事の介助をしてもらい、薬を飲ましてもらう。トイレも1人ではいけない。

意識ももうろうとしている様だった。

まるで操り人形。

こうなる前になんとかしてやりたかった…


すると沙夜がいきなり声を出した。


「あなたは誰?何で私を助けたの?」


見えているのか?

いや、気のせい?

ならば試してみるか…


「なぁ、この事件を終わらせることが出来るのは残念だけど、私にはできないんだよ。だから時間がかかっても良いから目を覚ましせ。目を覚ましてお前がこの町の呪いを終わらせろ」


沙夜は目を開ける。


「誰の声?」


「あなたは誰?」


沙夜はまた目を閉じる。


やっぱり聞こえている。


「南川さん、食事の時間ですよ」


すると看護師がやってくる。


ちっ、タイミングが悪いな。


看護師は手慣れた様子で沙夜に食事を与える。


また沙夜は操り人形のようだ。


確かに会話ができていた気がするが…気のせいか。


そんな時、病室の外から声が聞こえる。


「おい、あの高校生、相良だっけ、脱走したらしいぞ」


「え、そんなことできるの?」


「わからないけど、脱走するにあたって何人か殺されたらしいぞ」


「えー、怖いー」


その話が聞こえたのか沙夜はガタガタと震え出す。


担当の看護師が慌てて、外にでる。


「ちょっとあんたたち、そんな話をこの部屋の前でしないで、何考えてるの!!」


「あ、先輩すいません」


「そんな怒らなくても」

もう一人の看護師はへらへらしている。


「あとで、師長に報告します」

その言葉に看護師二人は黙ってしまう。


看護師が沙夜の元に駆け寄る。


「大丈夫よ、南川さん、落ちついて」


沙夜は震えが止まらない


あの女が脱走だと。

くそまたややこしいことになったな。


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