終わりたい
すでに2時間は経過したか…
ガチャリ玄関のドアが開く。
真奈美だ。
あいつ何をするつもりだ?
真奈美は母親の部屋に入っていった。
それからしばらくしてまた玄関のドアが開く。
沙夜だ。
憔悴しきった顔をしている。
沙夜はそのまま自分の部屋に入っていった。
この家には今殺人犯がいる。それを伝えたいがどうすれば…
沙夜が部屋から出てきた。
「ねぇ、そこにいるんでしょ?」
私は思わずギョッとする。
「なぁんだ、気づいていたの?」
その言葉が真奈美に向けられたものだった。
「どうやって入ったの?」
沙夜が問い詰める。
「あらやだ、こないだマスターキーを私に渡したまんまだったわよ、沙夜ちゃん」
「あんたが殺したの?」
「殺られるまえに殺れって?私は殺してないわよ、お見舞いには行ったけど」
「行ったんだ、じゃあ誰が殺したの?」
「さあ、誰かしらね」
「知ってそうな口ぶりね」
「でも、すごいわよね、滅多刺しの上に内臓を抜き取られたらしいじゃない」
「嫌なこと思い出させないでよ」
「でも、これからどうするの?一人でしょ」
「何とかなるわよ、多分生命保険とかそういうの色々あるから…」
「14歳が一人で生活するのはダメよ」
「じゃあ、どうすればいいのよ。私は」
「親戚とかいないの…あ、いるじゃない」
「確かにあの人は祖母だけど…」
「まぁ、それも生きていればの話か…」
「えっ?」
「はい」
真奈美が何かを放り投げる。
こいつ…いかれてやがる。
私には誰かわからなかったが老婆の首だ。
沙夜はごろんと転がるものが何か最初は理解できなかったが、すぐに吐き気があらわれトイレに駆け込む。
「あ、あんた。殺したのね」
沙夜が真奈美を睨み付ける。
「正確に言うと持ってきただけ」
「やめてよ、早く片付けてよ」
「はいはい」
真奈美はそれを袋に入れる。
「いったい誰がこんなひどいことを」
「さぁ?」
「お母さんが死んだと思ったらまた、新たな殺人鬼が現れたってこと?しかも私の身内ばかり狙って」
「そうね、これは呪いなのかもね。殺人鬼の」
「呪いを利用したのはあんたでしょ」
「私は利用してないわよ、ただ殺しただけ、呪いを利用してたのはあなたのお母さんでしょ。でもその呪いを引き継いだ人が現れちゃったってことかしらね」
「誰なのよ、そいつは」
「それは私の口からは言えないわ。そういう約束だから」
一瞬沈黙が走る。
「ねぇ、この町にいれる方法があるわよ」
「なによ?」
「頭がおかしくなったふりをして入院でもしたら、あなたのお母さんがやったように」
「…どこまでもバカにして」
「でもそれしか方法ないわよ」
「もういい、私はもういい」
沙夜が包丁を持ち出す。
「ちょ、ちょっと何してるの」
「もう、辛いんだよ、犯人だって私知ってるんだから」
私は慌てて、小夜が首にかざした包丁を握る。
しかし、間に合わなかった。沙夜の首から血が吹き出る。
くそ、こんなつもりじゃなかったのに。
ガチャリ。慌てて玄関の扉が開く。
あの男だ…
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