異変
「ねぇ、伯父さん。私はこの町に残るわ」
「はぁ?何言ってるんだ」
「やっぱりあの子をこの町から救いだしたいんだ」
「無理だろ、どう考えても」
「お願い、伯父さんは帰っていいからさ」
「…好きにしろ。でも俺は何も出かないからな」
「うん!ありがとう」
私は車を降りる。
さてとあの子のところに行こう。
私は急いで沙夜のところまで走っていく。
ん?誰か知らない女と話してるな。
いや、あの女は…確か高校で連続殺傷事件を起こした女だ。
何でそんな女と一緒にいるんだ…
しばらくするとその女は姿を消していく。
どういうことだろうか、あんな危険な女と接触しているこの子は何が目的なんだ…
私は黙って沙夜の後を着いていく。
「はぁ、気まずいな」
沙夜は独り言のように呟く。
(気まずいか、私は母親とほとんど口を聞かなかったな)私は過去の記憶を思いだす
沙夜は玄関の鍵を開ける。
「ただいま」
私もばれないように家に侵入する
沙夜が落ち着きなく辺りを見渡す。
「お母さん?」
お風呂から音が聞こえる。
私は成仏していない親父の方を見る。
すると親父は風呂場を指差す。
まさか。
沙夜も異変に気付いたようだ。
「お母さん?」
沙夜は慌ててお風呂の扉を開ける。
そこにはリストカットをして気を失っている母親がいた。
「お、お母さん、ど、どうしよう」
そういいながらも沙夜は呼吸があるか確認をしている。
意外と落ち着いてるなこの子は…
しばらく沈黙が続く。
「きゅ、救急車だ、救急車を呼ばないと」
沙夜はあわててスマホを取り出すがなかなか番号が押せない。
やっとの事で119を押せたようだ。
「どうしましたか?」
「あ、あ、あの」
「落ち着いてください、救急ですか?火事ですか?」
「あ、救急です、母がお風呂場で」
「お風呂場でどうしましたか?」
「リストカットをしていてどうすれば?」
「とりあえず、そちらに救急車を向かわせます、おちついてくださいね」
「は、はい」
母親の顔はどんどん青くなっていく。
お風呂もどんどん赤くなっている。
沙夜はお母さんの両脇を抱えて、なんとかお風呂場から出す。
腕をそこら辺にあったタオルで縛って止血をする。
「へぇ、手慣れてるな」
私は思わず感心する。
もちろん私の声は沙夜には届かない。
「早く、早く来てよ」
この傷くらいでは死なないな。
これは…
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