接触
「あーなんだ?」
寝ぼけた声が電話越しに聞こえる。
「今すぐきて、GPSで場所わかるだろ」
「あん、その町には入りたくねぇ」
「うるさい、早く来い!!」
私は電話を切って駅の方に向かう。
10分後
「遅いよ、伯父さん」
「これでもとばして来たんだ。文句言うな、それでどこに向かうんだ」
「あの山頂の墓地」
「全く、また変なことになってきたな」
車は猛スピードで走り出す。
思っていたより墓地に着くのは早かった。
(スピード違反をしたからか)
私達は車を駐車場に止める。
「ここで待ってて、あとは私が行ってくるから」
「ああ、そうしてくれ」
私は急いで親子を探す。
いた、あれが妹か。ボロボロに泣いて可哀想だな…手を怪我してるのか…
「あいつ、よくもこんなところに平然としてられるな」
私は足元に置いてある、水の桶を蹴りとばす
「きゃあ」
「ど!どうしたの?」
「急に水を入れていた桶がひっくり返って」
母親の足はびしょびしょだ。
「もう、今日は変な日ね」
娘の方は辺りをキョロキョロと見回している。
「そういえば、骨ってここに入ってるんだよね?納骨だっけ?」
娘が母親に声をかける。
「ええ、そうよ。警察から遺体…が返ってきて葬儀をして、ここにね」
「そう、私はその時意識がなかったんだもんね」
「そうね…」
「でも眺めの良いところでよかった」
おいおい、妹さんよ。何かあきらめてねぇか?
私は水の入った桶からひしゃくを使って娘の頭に水をぶっかけた。
「えっ、ちよっとお母さん何するの」
「私は何もしてないわよ」
「最悪…なんなのよ」
「風邪ひいたら大変よ」
母親がハンカチで頭を拭いている。
「もう、帰ろう」
「そうね、何だか不気味だわ」
2人は車に乗って帰っていった。
私は伯父の待つ車に戻る。
「やっぱり気づかないか、諦めるなって水をかけてみたんだけど。叔父さん声かけてよ」
「嫌だよ、殺人鬼なんだろ、あの女」
「あの女の子なら解決できそうな気がするんだけど…」
「じゃあ、あの子に任せようぜ、ちょっと首を突っ込むには危険すぎる」
「うーん。そうだね、もう少し様子をみるよ」
「様子を見るんじゃなくて一旦帰ろうぜ」
「仕方ない、帰るしかないか、ありがとう伯父さん」
「あいよ、じゃあ帰るぞ」
私達は墓地を後にした。
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