許されないこと
「遅いな」
俺は思わずぼやいた。
由梨が安藤の家に入って20分はたった。一度孝雄が戻ってきたときはあせったが奴には由梨がみえない。それにしても遅い。広い部屋でもないんだが
「俺の思い違いかね」
すると電話がなった。
「よう、神埼。なんかわかったか?」
「小林さん、なんなんですか。知り合いの刑事に聞きましたが件の行方不明。そんな捜索願出てないって言ってましたよ」
電話越しに不満な声が聞こえる。
「あ。そんなことねえよ、だって奥さんが旦那に頼んで捜索願いを出したって言ってたぞ」
こいつはいよいよ怪しくなってきたな。
「その旦那さん、おかしくないですか?」
神埼が言う。
「ああ。とりあえずすぐに動けるようにその刑事に言っといてくれ」
「ちょっと、小林さん。もう少し詳細を詳しくきかせてくださいよ」
「ああ。えっと」
俺が、神埼に詳細を話そうとしたところ、安藤の家の扉が勢いよくあいた、
由梨だ、見つけたのか・・・俺は由梨の姿をみてあわてて電話を切って車から飛び出した。
あの父親、許せない。私がこの手で殺してやる。私は冷静さを失い包丁を手にしたまま安東の家をでた。伯父の存在など忘れていた。アパートの階段を急いで下りていると、伯父がひどい形相で現れた。
「おい、由梨なにやってんだ」
「とめないで伯父さん、あいつを、あいつをやらないと」
「なに言ってんだ、落ち着け。第一お前は人には触れることはできないんだろう」
「そうだよ。でも物を持つことはできる、包丁だって。だから間接的に触れることはできるんだよ。だから私はあいつを殺すことだってできる」
私の興奮状態はとまらない。
伯父が言った。
「お前がそんなことして、親父とお袋は喜ぶと思うのか?」
私は急激に頭が冷えた気がした。
そんな私に伯父は確認のために聞いた
「いたんだな?雄太君」
私はうなずく。そして言葉をだす。
「いた、ベランダに放置されてた。やせ細って暴行されたあともあったよ、ちくしょうあんなことできるなんて、あいつは悪魔だよ」
伯父は私の手から包丁を取り上げて、触れられない私の頭をぽんとたたく仕草をした。
私の感情は爆発して大声で泣いた
伯父は黙っていた。
私の涙は地面を濡らすことはない・・・
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