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“ヒロイン”に転生した私は、“悪役令嬢のモブ従者”に溺愛される!?  作者: ぴよこ組
第二章 予言された聖女と呪われた図書館
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第二十二話 どうしてこうなった

誤字訂正してくださった方、ありがとうございます!

 






 今日は休日明けの月曜日。

 私は今日から開始する、魔術の授業に心を踊らせながら、イブとレオの乗った馬車を待っている。


 あ、きたきた。向こうの方まで続く緩やかな坂の上から、こっちに向かってくる青い馬車がシュゼット家の馬車だ。



「マリー!おはようございます。今日もいい天気ですわね。」


 ひょっこりと窓から顔を出して、ニコリと私に笑いかけるイブ。



「イブ!おはよー!そうだねぇ、風が気持ちいい!空気もなんだかいつもより美味しいし!」


 いい天気の時って、澄み渡った感じがして気分がいいんだよね、それに、西洋の街並みはずっと憧れていて、旅行に行ってみたかったくらいだし。



「そうかな?俺は、マリーがいれば、いつでも美味しい空気と気持ちいい風だなぁって思うけど。」


 イブの後ろから顔を出して、手を振ってくるレオ。

 顔色ひとつ変えずに、さらりとそんなことを言う。こっちは照れるんだから止めてってば。



「え、レオ……そういうこと言ってくれるのは嬉しいけど、学園では控えようねって約束忘れた?」



 そう。私は学園では普通に過ごしたいの。頭が良すぎるとか、力が強すぎるとか、そんなのなしで、今までの平均的な公爵令嬢でいたいの。猫かぶりまくって可愛い公爵令嬢でいる。



「ごめん、つい。それに、まだマリーの家の前だからいいかなって。まあまあ、話は馬車の中ででも、お姫様。」


 えへへ、と頭をかいて、私を馬車に早くのせようとする。それだけじゃない。お姫様って言った!私は聞き逃さないぞ~!



「もう!またお姫様って言ったよ~?控える気あるの?」



「あははー、ある、ある。俺がなれるまでお気になさらず~。」



 はぁ。一体いつになったら慣れるんだ。1ヶ月は待たないとかなぁ。でも心なしか入学の時より酷くなってる気がするし、控える気もない気がする。 


 クラスの皆にはそっこーでレオが彼氏だってバレたけど(毎休み時間レオが会いに来てラブラブしてるんだから、バレないほうがおかしい)、きっとまだ学園の皆にはバレてないハズ。

 いやー、攻略者を私から遠ざけるためには彼氏います!って宣言したほうがいいんだけど、見せ物にされるのもなんだし、アイザックみたいにレオに突っかかるやつがまだまだいるから危なくて言えない。

 もう、難しいったらありゃしない。



「マリー?大丈夫?しんどい?」



「あ、ううん、大丈夫だよ!ていうか、早く乗せて。」



「あ、ごめん!」


 レオはカチッと馬車のドアを開いて、私に手を差しのべる。私はその手を取り、レオの隣に座った。


 イブは私たちのために進行方向と逆を向く席に移動してくれている。私とレオは、とっても乗り物酔いしやすいから……ごめんね、イブ。普通は持ち主が進行方向を向いて座って、逆を向いて座るのは従者か友達のはずなんだけど………




「それで?マリー。昨日の帰りのことは大まかに聞きましたわ。どうするのですか。」


 道理でピリピリしてると思った。アイザックの事をレオから聞いたのか。 



「レオどこまで話したの?」


 私は、こそっと横に座っているレオに聞く。



「えーっと、実はそんなに話してない。」


 え、話してなくてこれ?全て知った上でじゃなくて?こわ。イブ、絶対怒らない?


「えっとね……………



 私は昨日あったことをイブに覚えている範囲で話した。できればイブにも協力してほしいし。






「_______っ!マリーに近づかないで下さいませっ!!マリー、安心してくださいませ、私が完璧に守って見せますわ。それにレオナルド、マリーを守るためなら暴れて構いません!絶対にクビになどいたしませんから!!」


 全てを聞き終わったイブ。

 拳を握りしめ、歯を食いしばってプルプルしている。

 私は思わずクスリと笑ってしまったのだけれど……



「お嬢様、言いましたね。やっぱなしは無いですよ。」


「ええ、無いわ。でも命はとらないであげてくださいませ。使えなくなりますわ。」


「かしこまりました。」


 え、え、ちょっ!?なにその怖い取引は!どこがどうなったら、そんな話に飛躍するの!


「え、待って待って!何もそこまでしなくても!使えなくなるって!何に使うの!」


「利用価値は何にでもありますわ。楽しみにしておいてくださいませ。」


「マリー、よかったね!これで自信をもってマリーを守れるよ」


 2人とも、私の方に向かってニッコリと微笑む。

 イヤだぁーー、怖いよ!



「それはやめよう?私1人でどうにか……」



 コンコン



「お嬢様、マリア様、学園に着きました。」


 ちょうど私が話している途中で学園に着いてしまったらしい。もーう、せめて最後まで話してから……


「あ、ほら。ついたってマリー。」


「早くおりましょう?遅刻しますわよ。」


 いそいそと支度を整えてドアを開けて、外に出てしまうイブとレオ。


「待って、私の話がまだ……」


「ん?なにか言ったかしら。猫、被っておかないといけないのではありませんこと?そんな大きな声で話しておられると、化けの皮が剥がれたところを皆様に見られますわよ。」


「ほーら、マリー?切り替えだよ。おいで」


 イブもレオも私の話はガン無視だ。

 いいですよーだ。

 私は差しのべられたイブとレオの手をとって馬車からおりる。



「イブ、マリア、レオナルドーー!おはよう!」


 少し前からエドワードがカツカツと歩いてきた。

 そんな大声で、しかも名指しで呼ぶなー!と、ツッコミを入れたい。


 そんなエドワードをみとめた瞬間、一瞬にしてイブの顔つきが乙女なものに変わり、その姿を見たエドワードが照れながらもイブの額に唇を落とす。


 すると、周りから一斉に「きゃあぁぁぁぁぁ!!」と、乙女の歓声がまきおこり、私達は一気に注目を集めることとなった。

 なにも朝から注目を集めなくても………と思ったのだが。


「これはいいな。俺たちも注目を集めれば、マリーにこれ以上変な虫がつかないんじゃ………」


 と呟いたレオによって、私の額にも唇が落とされる結果となった。


「なっ!!」


「へへ、いい案でしょ?」


 ~~~~~~っ!!全然よくないわっ!





 と言うことで、私達の噂は学園中にビックリするほどの早さで知れ渡り、瞬く間に学園のアイドル的存在に。

お陰で毎朝、門から校舎までの道にズラリと生徒が並ぶ事態に。


「エドワード様!」「イブリン様!」「マリア様!」「レオナルド様!」「可愛い、格好いい、こっち向いて!」と口々に名前を呼ばれ、叫ばれ、いちいち手を繋いでいない方の手で手を振って歩くこととなった…………


 エドワードとレオは楽しそうだけど、イブは恥ずかしそうだし、私はとっても面倒くさい。







 ________一体いつまで続くのだろうか、このときの私は、これが初等部卒業まで続くとは思いもしていなかった。

 そして、本来止めるはずの先生も出待ちをするようになり、生徒も増えるとは、もっと思いもしていなかった。



 でも、身分差の恋もいい!と、広く受け入れられるきっかけになったから、結果オーライ?かな。

次回は魔術の授業を予定しております!

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