閑話 地下の暗黒と協力者
堕転について……わからない点があれば、至急作者まで。笑
「アイツは?アトラスとやらは面白く動いているか?」
薄暗闇の城の中で、その王座にどっかりと腰掛けながら、数人の女を侍らせている男。彼はアイテールの父、暗黒の神エレボスだ。
アトラスの動きを気にしているらしい。
俺は影から気配を消して、何か情報はないかと聞き耳を立てる。
「今のところ、アイテール様が作った世界を4つ潰しておられます。今度は、今アイテール様が入っておられる世界を潰そうとお考えのようですわ。」
エレボスの膝の上に座っていた女の一人が現状を伝えた。
アトラスは、やはりアイテールの入っている世界に食い付いたのか……アイテールとウラノスが危ない。
「そうか、なかなか仕える駒だな。だが目立ちすぎておらぬか?長持ちしすぎだ。会議が長引いて鬱陶しい。」
「エレボス様が唆したのではありませんか~。何を今さら言っておられるのです。しょうがないですよ、でも長持ちするのは変ですわね、突発的な堕転だったのでしょう?」
王座の隣に座り込み、エレボスの腕に体を絡ませたサキュバスが突発的な堕転だったのだろうと指摘をいれる。
そうだ、堕転は、長い時間を掛けて綺麗な魂が汚れていくこと……。
恨み、妬み、哀しみ、色々な理由で世の中を、相手を憎むことで魂が汚れていくのだ。
生きとし生けるもの、魂さえ自分の意思で汚れてしまえば、神でも、人間でも堕転することはできる。
本来、少しずつ黒い力を持っていくことで、安定した寿命と強さを得られるが、急速にその力を持つと体が耐えきれず、すぐに死んでしまう。
それは、永遠の命を持つはずの神も同じこと……。
命を削り、普通にはあり得ないほどの力を得ることで、相手を滅ぼす事ができるようになるのが"堕転"というものなのだ。
そして、あまりにも急に堕転したいと願ったとき、1度死ぬほどの怪我を負って、力自身に自分の気持ちを示し、納得させ、制御することで生き返る。
アトラスは神だから死ぬほどの怪我なんて普通は負えない。負ったとしてもすぐに直ってしまう。
だから持ち出したのだ……ゼウスだけが持つ、神をも殺せてしまう伝説の黒い短剣を。
ウラノスとアイテールは黒いナイフだと俺にいった。きっとゼウスの短剣だろう。金庫から1本姿を消していたし……ゼウスは自分に非があったと知られたくなくて短剣が消えたことを秘密にしているようだが。絶対に明るみに出してやる……
アトラスは、眩しいくらいに綺麗な魂だった。
……堕転してもなお、綺麗な魂の一部が残るほどに。
そして、今俺を動かしているのも……
「あぁ、あれは突発的もいいところだな。俺が嘘を伝えてから、真相も確かめず、1週間もたたないうちに短剣を盗んでまで堕転したんだから……本当に面白いな。アイテールにちょっと痛い目を見させてやろうと思っただけなのに……あそこまで上手くいくと愉快だ。はっは!」
「あははっ……!本当に、エレボス様はアイテール様の事がお嫌いですわね。そんなだから純真無垢なアイテール様と比べられて、暗黒と言われるんですわ。ふふ、どこまで追い詰める気ですの?」
「うーん、気が済むまでだな!でもお前達は真っ白いアイテールより、真っ黒な俺の方が好きだろ?」
「あははっ、当たり前ですわ」
エレボスは、ケラケラと笑ってまわりの女と戯れている。
クソッ……こいつのしょうもない意地で……こいつがアトラスに嘘を伝えて、唆したせいで…………
情報は、もう十分だ。不愉快極まりない………吐き気がする、絶対に地獄に落としてやる……
あと、こいつの言葉を簡単に信じたアトラスも、正気を取り戻したら一発殴る……
それだけ決めて、俺は踵を返して城を出た。
「アイテール……!やっとエレボスから情報を盗み聞けたぞ………」
『本当か……今からあの場所へ来てくれ、本当に協力してくれてありがとう、助かるよ、アポロン…………』
「いいよー、お礼は全て終わってからにしてくれ」
『ははっ、ありがとう。』
「ほーら、また。」
テレパシーでアイテールと会話しながら、テレポートを使える俺の領地まで歩く。
「じゃあ、先に行って待ってるから」
『あぁ。僕もすぐに行くよ』
アイテールはいいやつだ。ウラノスも、それから、アトラスも……。
俺はあの三人組を遠くから眺めているのが好きで、たまに仲間にいれてもらって、一緒に遊んだ。
また、あの頃のように幸せな日々を。
そして、あの頃のように幸せな世界を作りたい。
だから………だから、神の意思の統合を。
これから先、白いものが黒くならないように。黒いものは、白いものを引きずり込まないように。
________他の神には想像も出来ないことを、成し遂げてやる。
協力者、アポロン。
神話について調べたりするんですけど、ギリシャ神話は面白いですね。
時間があれば皆様も是非。




