閑話 俺の彼女は世界一可愛い
ブックマーク、ご愛読ありがとうございます!!
レオ視点です。
俺は今、マリーを迎えにクリスティ家の庭を歩いている。
この広い庭を歩くのに慣れたのはいつだっただろうか。
最初は無駄な土地だと思ったけれど、最近はマリーの事を考えていたら屋敷までの長い道のりも短く思える。
それに、マリーの可愛さをしっかり結論まで考えられないから、もう少し長くても良いかな~、なんて思えてきて怖い。
それにしても、休日かぁ、そういえばマリーと付き合いだしてから俺の休日は一気に休日らしくなったと思う。
今では毎週楽しみで、今週は何をしようとか、あれがしたいとか、毎日待ち遠しい。
これが皆のいう普通の人の感覚なのだろう。
今までは勉強ばかりして部屋にこもったり、そのまま食事を取るのを忘れたり……
俺が休日らしく過ごせないから、「私が改善してやる~~」って、あの時は珍しく怒ってたなぁ。
俺のために怒るマリーも可愛いかった。
今日は、俺とマリーと、お嬢様でエドワード王太子の家を訪ねる。
王太子の家……つまり王宮だ。
俺なんかが足を踏み入れていい場所なのか怪しいが、本人が良いと言っているのだから足以外どこも触れないように気をつけてお邪魔しよう。
万が一なにか壊したらと思うと……いや、止めよう、想像するのも怖いな。
昨日、お嬢様と俺がメアリー嬢に階段から突き落とされた。2人とも幸い軽い打撲ですんだけれど、一瞬死ぬかと思った。
従者である以上、身を挺してお嬢様を守らなければいけない。だから……今回のようなことはもうないようにしないと。
マリーとずっと一緒にいるために、俺は強くならなくちゃ。
お嬢様でさえ、人から相応しくないと言われるのだ。俺は話にもならないだろう。
俺にできる精一杯の努力をしよう。
ずっとマリーに好きでいて貰えるように。
「マリーーー!おはよう!迎えに来たよ!」
玄関からそう叫ぶ。
「レオ!おはよう!あと少しだけ待ってくださいませ!ポシェットを選ぶのに時間がかかってしまって、まだ中身を詰めていないのよ~」
2階のマリーの部屋からマリーの声が聞こえる。遅れる理由も可愛いけど、きっとそれが本当の理由ではないことを俺は知ってる。
「わかったよ~!気長に待ってる!」
「ありがと~う!」
「おはよう、レオナルド君……君達は朝から元気だな。」
お。お義父様の登場だ。
「おはようございます、うるさかったですか?すみません。」
「いや、いいんだよ。君とも話したいし、マリーが元気なのはいいことだからね。昨日の晩から鞄や靴を選んだり髪型を決めたり……あー、でも服は決まってるみたいだったな。」
「へへ、はい。俺がリクエストしたんです。」
「ほほう、それでか。モリスが違うのを薦めても譲らなくてねぇ~。あ、これは内緒だけどね、ポシェットなんか昨日のうちに決まっていて、今は王への差し入れが届くのを待っているんだよ。昨日使用人が注文し忘れて遅くなったんだ。本当にうちの娘は良くできた子だよなぁ、可愛いよ……本当に可愛い。」
やっぱりね。マリーらしいや。
違う服を薦めても譲らなくてって!可愛い……可愛すぎる。マリーの可愛いところなら一生語れる。2年で一生語れるんだから、俺が死ぬまでなら何年だ、死んでも語れるんじゃないのか?
これは問題だ……マリーの可愛さ問題っ!!
「ですよね!?マリーの可愛さは海を越えます!!もはや世界共通です!!……」
っと、と、と。落ち着け、俺。今お義父様に引かれると困る。ていうかこんな風に俺がなるのは何回目だ。既に引かれてるのでは……
「レオナルド君はやはり話がわかるね!!でも違う!マリーの可愛さは世界だけじゃない!宇宙共通だ!」
そうだったぁーー!お義父様もマリー大好き、親バカだった!だから引かれてないし、むしろ週一で、マリーの情報交換をするくらいに仲が良いんだった……!でも、この家に来るとお義父様がいつもの仕事モードから切り替わってて違う人に見えるんだよなぁ。
でも良かった、マリーの可愛さを共有できる人で。
「お父様!レオ!私の可愛さは宇宙も世界も海も越えません!大体恥ずかしいから止めてくださいと毎週のように言っているじゃないですか!一体いつになればわかるのです!」
マリーが顔を赤らめ、少し怒りながら階段を下りてくる。全く、怒った表情まで可愛いことをわかってないなぁと、お義父様と目で会話する。
今日のマリーは俺がリクエストしたワンピースを着て、いつもふわふわの髪は後ろで編み込まれている。
靴は歩きやすそうなもので、きっと王宮を探検するからだろう。ポシェットは水色で小さいのに機能性に優れているのだと、この前俺に熱弁していたやつ。
はぁーーー、本当に可愛い。いつもと違うマリー……しっかり記憶に残しておこう。
「ごめんごめん。つい……ね。さあ、行こうか。お義父様、ではまた来週にでも。」
俺はマリーに手を差し伸べ、エスコートする。
振りかえってお義父様に来週の約束を取り付けるのも忘れない。
「ああ、レオナルド君、娘を頼んだよ。そうだな、また来週を楽しみにしていよう。」
お義父様はにこりと笑って玄関扉を閉めた。
「もう……本当に……はぁ……」
あーあ、マリーがため息ついちゃった。やり過ぎたかなぁ。
「ごめんね、マリー。今日も可愛いよ。俺のリクエストした服を着てくれて嬉しい。」
「__もうっ!可愛いと褒めてくれるのは嬉しいですけれど、それは私にだけ言ってくれれば良いのです!なにもお父様と共有しなくたって……」
「ごめんね、今度から気を付けるよ。でも、本当にマリーが可愛いくて仕方ないから……」
「うぅ~~~~。もういいです!早く行きましょう!」
マリーは顔を赤らめ、そっぽを向いて、歩く速度を早めた。まあ、手を繋いでいるから一定の距離からは離れられなかったみたいだけどね。
「マリー。」
「なんですか?」
俺の呼び掛けに素直に振り向いた彼女は、とっても可愛い。今のこの姿をずっと見ていたいけど、それはできないから。
「愛してるよ。ずっと一緒にいてね。」
「………当たり前でしょ。レオこそ離れていかないでね。」
「うん!」
ぎゅっと繋いだこの手は離さないことにした。
次回は、僕の彼女は世界一可愛い。です!
レオに続きエドがイブを語ります。




