第五話 能力検証してみよう!②
ブックマーク、ご愛読宜しくお願いします!
その瞬間…………
ふわっ。パラパラパラパラ!
いろんな棚から、全部で8冊の本が私の前に降りてきた。
「うわぁ……。すごいですわ……」
「イブの言うとおり、願えば叶ったね……」
「マリー、凄いよ。君は本当に聖女なんだ……」
降りてきた8冊の本は、右から順に、
<王家に伝わる言い伝え>
<聖女の能力予想①>
<聖女の能力予想②>
<聖女の外見>
<予言神の外見>
<聖女と魔術師の能力比較①>
<聖女と魔術師の能力比較②>
<________>
あれ?最後だけタイトルがない。
中身は……?
気になってそれだけパラパラっとめくる。
白紙……え、本じゃないじゃん。
表紙は濃いピンクに、ラメでキラキラ。
わりと分厚い本で、作者名も、タイトルもないのに、それを書くのかもしれないとこちら側に思わせるようなアンダーラインが引いてある。
それに、他の本にはホコリが少し被っているのに、この本はピカピカだ。
怪しいニオイがプンプンする。
よく見てみると、他の本には貸し出し用のシールなど、図書館の本だと証明するものが貼ってある。でも、これにはない。
「どういうことかしら……。ここの本ではないということ……?」
イブがそう呟く。私も同感だ。
なんなら、本なのかすらも怪しい。
「とりあえず、聖女と神の外見以外の6冊は借りていこうよ。それがなんの本なのかは後で考えればいい。」
確かに外見は本物をいつでも見れるから要らないか。
さすがレオ、頭良い~
「……そうだね。これどこで借りれるんだろ?」
「たぶんあそこですわ。あのおじいさんが座っているところ。」
「あれ?あんなところあったっけ?あのおじいさんも最初からいた?」
あんな人、絶対いなかった。うう……いや、いた。ううん、いない……
なんだか頭がぐちゃぐちゃになる。
「いましたわよ。マリーったら、もう忘れてしまいましたの?ふふ」
「いた……と思うよ。俺も少し変だと思ったんだけ……ど……そういえばいた気がするな。」
二人とも、いたっていってるから私がおかしいのかな……?きっとそうだ……
知らないうちに私も信じ込んでしまった。
*
*
*
あの後、何事もなくおじいさんに本を借りて、私達は今闘技場に向かっている。
ピンクラメの本の事を質問したけれど、彼は何も知らないらしい。不審がってもいなかった。
やはりあの本はなんにも書いていないだけの図書館の本なのだろうか。
「ねぇレオ、この本のことどう思う?」
「どの本のこと?」
「これだよ、ピンクラメの本!おじいさんに聞いても特に知らないっていってたじゃない?」
「?そんな本あったっけ?ていうか、おじいさんって誰?それはマリーがずっと持っていたものじゃないのか?」
え……?レオ?
「おじいさんだよ!?さっき図書館にいた……ねぇ、イブ?!」
私は慌ててイブに聞く。
「マリー、図書館には私たちしかいなかったじゃない。本は、5冊借りていくと書き置きをしてきたでしょう?その本は借りてないわ。」
イブまで!………私にはそんな記憶ない……
そもそも、おじいさんはいなかった?私の記憶のなかでも途中までいなかった……
でも、二人がいたって言ったからそっかって……
なのに今回はいないって……?
もう、どういうことなの!
なにが正しい?本当はどれ……
「マリア!本は借りられたかい?闘技場、好きに使って良いそうだよ!」
前から、エドワードが笑顔でこっちに手を振って走ってきた。右手には、しっかりと闘技場の鍵を握りしめている。
助かった。なぜかそんな気がした。
「エドワード、なんだか私たちおかしいの!図書室もおかしくて……“正しい”がわからないの!」
とりあえず誰かに聞いてもらいたい。
レオも、イブも話にならない。
あの場にいなかった人に、相談した方がいい。
*
*
*
私は図書館で起こったこと一部始終をエドワードに話した。レオとイブには話があるからと向かいのベンチで待っていてもらっている。
心なしか二人とも目が曇ってないかな?
話すことで頭の中も整理できた。やっぱりおかしいのは私じゃない。レオとイブはどうしたんだろう。私たちになにがあったの……
「結論から言うと……君たちがいった図書館というのは、恐らく今は使われていない旧図書館だと思う。僕が行ってきたら良いんじゃないかと言った方には大きな窓は無いし、立方体の足場もないよ。六角形でもない。」
「え……旧図書館って……、中で何かの事件が起こってから封鎖されて、もう何百年も使われていないっていう?でも、確か今では鍵も無くなってしまって、誰も入れないのでは無かったかしら?」
「そうだよ。今はもう入れない。入れるはずがない場所なんだ。でも、僕が知っているなかでこの敷地内にある六角形の建物はあそこしかない。現に君は本を借りて来たんだろう。」
怖っ。なんで私達は入れたの?だって開いてたし……それに、案内説明もあの場所を指していたわ。中にいたおじいさんは?じゃあ、あの立方体は何百年も前から浮いていたの?誰が浮かしているの?
あっという間にピンクラメの本の謎どころでは無くなったし、私の力を試すどころでも無くなった。たいした怪奇現象だ。
「とりあえず、イブとレオナルドの催眠を解くところから始めようか。君は聖女だから危機が薄かったんだろうね。あっちはガッツリ掛かっているけれど。」
「さいみん……催眠!?あの二人、催眠にかかっていたの?早くとかなくちゃ……私は聖女だから……そうか……考えてもみなかったわ。それで、どうやって催眠を解くの?」
「それを今から君が借りてきた本で探すんだろ。早くするぞ、イブがずっとあのままだと僕は面白くない。君も嫌だろう、恋人の目が死んだままなんて。」
あ、やっぱり死んでるみたいな目だったんだ。
曇ってると思ったのは思い違いじゃなかったのね。じゃあますます早くとかないと……
「うん、早く探そう!」
こうしてエドワードと本のページをめくり始めた。
さすがに、事件の起きた旧図書館の本なんか嫌だと文句は言ってられなかった。
能力検証してみよう!ってタイトルなのに全然してないや。
ごめんなさい。
途中であ、これいれたい、あれいれたい、ってやってたら終わりが無くて……ついにおじいさん出しちゃった。
旧図書館ちょっとお気に入り。




