閑話 忙しい今日②
ブックマーク、よろしくお願いいたします!
読んでくださっている皆様、いつもありがとうごさいます!
これで閑話を終了して、第十一話にいこうかなと思っております
レオ様視点です
いくら男が走っていると言っても、幼児1人を抱えた状態で自転車に勝てるはずがない。
だから、後ろをつけるのは容易かった。
俺の予想がこのまま正しくいければ、アイツは必ずあの家にはいる。そして、一番奥の角部屋にマリア様を隠すはずだ。
そのあとは……公爵令嬢とばれているなら金を請求してくるだろうし、ばれていないのなら……奴隷として売られる。
その前に何とかして助けなくちゃ。
なぜそんなことを俺が知っているかというと、俺も….俺も一時期アイツに加担していたから。
アイツは孤児や、正当法では食っていけなくなった大人を雇って金儲けをする。
俺も、親から捨てられてから旦那様に拾われるまで、ここで雇われていた。
俺は人に取り入るのが得意で、拐われてきた女性や子供のカウンセリング担当をしていた。
金持ちの子供なら、親から金を振り込まれるまで大人しくするように。女性なら、人買いが引き取りに来たときに暴れないように。
俺はその時が来るまで、彼らより先に拐われてきた可哀想な男の子として存在するだけで良かった。
仕事をしている間は給料が出る上に、毎日彼らと同じで2食ついてくる。割りの良い仕事。
でも、今でも夢にみる。
彼らは引き渡しの時、必ず俺の顔を見た。
恐怖で怯えたその目は、俺に助けを求めていたけれど、俺には助けることができなかった。
アイツの仲間だと、何度かばれたこともある。
その時の軽蔑したような顔。けれどすぐに連れていかれてしまって、弁解もできなかった。
まあ本当の事だから、弁解のしようがなかったけど。
なにもできない自分が嫌で、生きていくために他人の命を粗末にする手伝いをしている自分が嫌いだった。
このまま腐った人間になるのなら。
生きていても、仕方がないと思った。
だからアイツを裏切り、彼らを逃がして俺も逃げた。
でも途中で疲れてしまって、寒くて、死ぬと思ったのと同時に、自分が今までやって来たことに対して、当然の報いだと思った。
まあ、旦那様に拾われたわけだが。
まだやることが残っていたのだろうか。
マリア様を助けることが俺が生かされている理由なのか?
そんなことを考えながらつけていくと、やっぱりアイツはあの家に入っていった。
思った通りだ。
__俺が逃げるために使った経路で入ればマリア様を助けられるかもしれない。
*
*
と、思って裏から家の外壁を上っているのだが。
俺が成長して体重が重くなったのか、それとも半年ほどでこの家が急速劣化したのか。
俺がベランダの柵に手をかけた瞬間、足元のパイプがミシミシと嫌な音をたてた。
「やべ。」
……崩れる……まさかここまで来たのに?
また振り出しに戻るわけにはいかない。
これは賭けだが、おもいっきりこの今にも崩れそうなパイプを蹴ってベランダに跳び移るほうが得策ではなかろうか。
うん。そうしよう。
____判断は間違っていなかったらしい。
なんとか崩れきる前にマリア様がいるであろう部屋のベランダに移ることができた。
でも帰りはこの経路使えないな……
とりあえず、
「……この窓を開けないとなぁ。」
小声でそう呟く。
割ってしまうと気づかれるだろうし。
どうしようか。まさか……まさかな。
ガラガラガラ……
…………………開くじゃねぇか!!
アホにもほどがある。マリア様に逃げられるとか、俺みたいに誰かが助けに来るとか思わなかったのか?
まあ~………手間は省けたか。
分厚いカーテンを開けるとそこにはやはり……
「マリア様?……マリア様、マリア様!」
床に倒れているマリア様の姿が目に入り駆け寄る。彼女は泣いていたようだ。白い頬に涙が伝っている。生きているのか?大丈夫だろうか。
心配してマリア様の顔を覗くと、マリア様の目が薄く開く。良かった……眠っていただけか。
「探しましたよ!もう大丈夫ですから……泣かないでください。」
俺がそう言うと、マリア様の顔が悲しそうな顔に一瞬なったが、すぐにふわりと、見ているこちらがとろけそうな笑顔を俺に見せた。
「レオ様、私を探しにきてくれたの?ありがとう。レオ様だーいすき」
だ、だーいすき??
レオ様って俺?じゃあだーいすきって……俺!?
そう戸惑っていると、マリア様の口がまた開く。
「レオ様、愛してる。今までも、これからもずっと。」
マリア様の顔が近づき、甘い匂いがする。
俺の唇になんだか柔らかいものが触れた。
まさか……これは。
……キスというものではなかろうか?
え?
ていうか、マリア様、愛してるって……?今までも、これからもずっとって!?
えええ!?
でも、もうなにも考えられない……
突然の事だし、俺の頭はふわふわと宙に浮いたようで、思考がぼんやりとしてきた。
「レオ様。」
マリア様が俺を呼ぶ。なに……?
「ふぁい。」
はい。と、言うつもりだったのだが上手く呂律が回らない。
「これは……夢ですか?」
夢?そうなのか?
「……夢……か。いや、違うよ!現実だよ!」
一瞬騙されそうになったがそんなはずはない。
現実か、現実ではないか以前に、こんな夢あってたまるか!と是非言わせてもらいたい。
こんな夢みていたら全く体が休まらない。睡眠は休息の時間であるべきだと俺は主張しよう。
そんな馬鹿な主張を考えていた俺と違い、マリア様の顔はみるみる青白くなっていく。
そしてしまいには……「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」マリア様はそう叫んで気絶してしまった。
「ちょ、やばい!そんなに大声で叫んだら犯人が来ちゃう!!」
あ、俺の声もまあまあ大きかったかもしれない。だが、もう遅かったようだ。
ドドドドドドド!!!!
階段をかけ上がってくる音……
そして、カチャッというドアノブが回される音が聞こえた。
まさに、‘’ミイラ取りがミイラになる”とはこの事だろう。
____終わった。捕まる。
そう思ったとき、俺の頭のなかに男性の声が響いた。
「やばいやん!ごめんなー。遅なった!」
「キミとマリアをテレポートさせるから、マリアをしっかり抱えておいてね!」
___バシュッ!!
強い光が俺たちを包む。
なにが起こったのか分からないうちに、クリスティ家の庭に着いた。
助かった……のか?あの声は一体……
俺たちの周りにクリスティ家の使用人が駆けつける。
「俺を、マリア様が目覚めるまで、隣に居させてください!」
そう叫ぶと後ろから声がした。
「いいだろう。話は聞いているよ。君は娘の命の恩人だ、君も入りたまえ。」
マリア様のお父様……良かった。
そうして俺はクリスティ家に足を踏み入れた。
__この後、衝撃の事実を知ると共に、今まで引っ掛かっていたマリア様との会話すべてが府に落ちるとも知らずに。
この度、レオナルドの年齢設定を変えました。
5歳→9歳になりました。
話が進むごとに、精神年齢がおかしいことに……
年相応になったかな?
親友の部屋で、まったりとチョコプリンとラング・ド・シャをいただきながら、二人とも執筆に追われるという土曜日を過ごした次第です。




