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[2.1]和装の種類:その壱【バリエーション総合】



 前話「素材・製法」編は耳慣れない用語が多く、疲れたかと思います。すみません。例によって全部を覚える必要はありませんので、とりあえず重要な部分だけ押さえておきましょう。


 ということで、復習です。


 「着物」は、その素材や製法、用途によって様々な種類があります。

 《(きぬ)》の着物はフォーマル寄り、《木綿(もめん)》の着物は普段着です。《ポリエステル》の着物はなんでもござれ。現代社会では一番便利な素材です。

 フォーマルな「長着(ながぎ)」は【()め】の技法、フォーマルな「(おび)」は【()り】の技法で作られます。カジュアルな「長着」は【織り】、カジュアルな「帯」は【染め】です。

 フォーマルな場での和装は【染めの長着に、織りの帯を締める】の組み合わせです。

 カジュアルな場での和装は【織りの長着に、染めの帯を締める】の組み合わせです。

 男性の場合のカジュアル和装は【織りの長着に、織りの帯】が多くなります。

 「織りの着物」は先染め模様、「染めの着物」は後染め模様です。【(つむぎ)】は織りの技法、【友禅(ゆうぜん)】は染めの技法の代表的な用語です。模様をどのように描くかの用語はややこしいので、こだわりがなければ“聞いたことがある”程度のものだけ使いましょう。


 以上、復習終わり。



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 さて、ここからは【和装のバリエーション(種類分け)】を男女別にお話したいと思います。まずは基本形を紹介した後、男女別に説明します。というのも、これらの用語は男女間の差が大きいからでして、男女それぞれの場合でしか用いない言葉が多くなります。

 正直、男性の和装に関するバリエーションはまだシンプルですが、女性の和装バリエーションは種類が多く、また“決まりごと”も多くて面倒なのです。本作は一応「初心者向け」としていますので、女性和装バリエーションについては最低限の種類分けのみ簡易に説明したいと思います。




 まずは、和装バリエーションの基本形です。


 これらの「和装バリエーション」を構成する大きな要素が【用途】です。

 つまり、その格好で“何をするのか”?や“どういう場に出るのか?”によって区分されます。

 専門的には【格】(かく)と呼びます。“格式ある~”とかの(かく)です。ドレスコードです。TPOです。これはとても面倒くさいので簡単に。


 洋装の「スーツ着用のシーン」と「スーツ不要のシーン」を最低限の区分とするならば、和装もほぼ同じです。「フォーマル・セミフォーマル」か「カジュアル」か、です。


 和装の場合、


 (1)式(セレモニー)の場で着るもの

    ⇒【礼装(れいそう)


 (2)パーティーなどの改まった場で着るもの

    ⇒【略礼装(りゃくれいそう)


 (3)他人に会うことを前提とした、ちょっとかしこまったお出かけで着るもの

    ⇒【洒落着(しゃれぎ)


 (4)町中への買い物やちょっとした外出の際に着るもの

    ⇒【(あそ)()】 【街着(まちぎ)


 (5)近所への買い物や家の中で普段着として着るもの

    ⇒【普段着(ふだんぎ)】 【くつろぎ着】


 といった風に分かれます。


 このうち、(1)と(2)が「フォーマルウェア」と「セミフォーマルウェア」で、男性なら『スーツにネクタイが必要なシーン』相当、女性ならば『パーティードレスやフォーマルスーツ着用のシーン』相当の(よそお)いです。結婚式やパーティーに出席するシーンを想定するといいでしょう。(1)はパターン固定です。アレンジは控えましょう。

 (3)は「セミフォーマル」と「カジュアル」の中間くらいです。男性なら『ネクタイはともかくワイシャツとスラックスが必須のシーン』相当、女性なら『パンスト&パンプスを合わせるコーディネイトのシーン』相当です。友達との会食や観劇、美術鑑賞などのお出かけや、ホームパーティーなどが想定シーンです。

 (4)と(5)は「カジュアルウェア」です。男女問わず(4)なら『外に出て、知り合いに出くわしても支障がない装い』相当、(5)なら『近所のコンビニに買い物にいけるレベル』相当です。


 現代社会で『和装するシチュエーション』といえば(1)がもっとも多いかと思います。それこそ七五三に始まり、結婚式などが代表例です。当然【礼装】(フォーマルウェア)ですので、洋装と同じく「ドレスコード」があります。よって作中キャラに着せる場合には、基本形を外さずに描写する方が安心です。


挿絵(By みてみん)


 作品描写に活かしやすいのは(3)や(4)です。和装デートですね。

 『美術館で会った和装のあの人』『初詣で和装の彼』『夏祭りに浴衣姿の二人』……などの、“ドキッ”とするシチュエーションにあふれます、萌えます。本エッセイではできるだけこのような『日常を、ちょっとだけ非日常に感じさせるシチュエーション』をベースとしたお話を、基本の話が終わりましたら紹介してゆきたいと思います。




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