表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

どこにも分類できない作品集

私は人魚

作者: 矢田こうじ

人魚姫のお話を知っていますか?

悲しいお話ですが私は好きです。


私は、高校を卒業して、上京しました。

内定を頂いた会社で右も左も分からない、そんな中で一所懸命、働きました。


特に趣味もなく、人見知りする性格なので、お休みの日は散歩や買い物で過ごします。


そんな中、取引先の男性が、私を食事に誘ってくれました。

男性とのデートはさすがに初めてじゃないけど、素敵なお店、美味しい食事、そして楽しい会話。

何度あっても、いつも楽しい。


私は彼を愛していました。

そんな時、彼のお母様が病気で、大きなお金が必要だとの事。

まだお母様にはお会いしておりませんが、私は自分の母の様に心配し、わずかですが援助させてもらいました。

その時の彼の感謝と涙は今も忘れていません。


そしてお母様が無事、退院されたとの事。

私達はお祝いしました。


お祝いしているお店で彼が塞ぎ込みます。

どうしたの、と聞くと、お母様の治療費を捻出する為に、会社のお金を黙って借りたとの事。


私は正直に話せば、きっと許してもらえると説得しましたが、来週までに返せば、気付かれないと。

苦労をかけるけど、助けてほしいと言われ、私は全部の貯金と、すぐにお金を貸してくれるお店に向かい、彼に渡しました。


その時、彼は私に結婚を。

とても、とても幸せでした。


私も頑張って働いて、お借りしたお金を少しずつ返している時、彼から海にドライブに誘われました。

楽しみで、チャイムと同時に会社を出ちゃいました。


彼の車で私は淹れたてのコーヒーを頂いたのですが、その時に眠ってしまいました。

折角のドライブなのに。


気がつけば、海の中。

彼が遠くから見守っています。

彼の笑顔は、やっぱり素敵でした。


そんな私は・・・人魚姫(マーメイド)になれたかな。








なれるわけない。


なれない。


なりたくない。


寂しい。


私の体は海の底だけど、会いに行きたい。

そう思ったら、彼の前にいました。


私の声が届く様にと、朝も昼も夜も、彼の名前を呼びました。

シーツを被っても、意味なんてないのに。


鏡の前にいる時に、すぐ後ろに立ちました。

目があった時、すごく驚いたみたい。

私もずぶ濡れだったけど1番のお気に入りの服だから、いいですよね。

うふふふふふ。


最近、すごく疲れているみたいだけど、今日は私とドライブ。

ルームミラーに写ってる私をあんまり見ない。

ちょっと悔しいから、車の前に立って怒ってみせたの。

そしたら彼、急にハンドル切って、壁にぶつかった。

危ないわ。


でも、真っ赤に染まった彼は綺麗。

面白いポーズね、それ。

私と似てる。

うふふ。


もうすぐ、私だけの王子様になる。

ほら、息が止まった。


ふと、人魚姫を思い出してかきました。

人魚姫、全く関係ないです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ