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ストーカー・ラブ  作者: sitis
プロローグ
9/68

学校3

転校初日の質問攻め。これは基本的にどこにもあるものだろう。

しかしウチの学校では一味違った。

まず、女子は真子の方で質問攻めをしている。コイバナが好きなお年頃にはすごいエサなんだろう。

「二人の馴れ初めは?」

「私が家に入って…それが見つかって怒られる!って思ったら結婚してくれ!って言われたんです」

「二人はどこまでいったの?」

「毎日一緒に寝てる仲です」

「キャーー!!!」(一部抜粋)

そして男子は俺の方に集まって。

嫉妬に狂い、俺と殺し合いを繰り広げている。

「食らえやカスがああ!」

「うおっ!危ね!」

「俺のホウキを食らえええ!」

「ちょうどいいそれ寄越せ!」

今ほど中二時代に拳法に明け暮れた日々を無駄じゃなかったと思った日はない。

「さあ掛かってこい…」

キーンコーンカーンコーン。

シュバッ!と音が聞こえるほどの速さで席に座る皆。あれか。腐っても高校生か。

「はーい、授業始め…何その散乱したホウキ?」

「「「気にしないで下さい」」」

なんという一体感。

「では、社会の授業を始めます。姿勢、礼」

このあと、授業中ずっと男子からは妬みの視線を、女子からは好奇の視線をプレゼントされることになった。


「やあっと昼休みか…」

「お疲れ様です、亮太くん」

あれから休み時間の度に男子たちがパワーアップして襲いかかってくるので、疲れた。マジで。

「真子、学食食いに行こう」

「はい!」

二人で学食に向かおうとしたとき。

「それ、僕も一緒させてもらっていいかな?」

見覚えのない男子生徒が声をかけてきた。

「…真子、どうする?」

「私は別に構いませんよ?」

「じゃあ別にいい…が、名前が分からない。教えてくれ」

同じクラスなのだろうが、まだ転校初日なのだ。分かる方が少ない。

「僕は草木 慎。一応委員長なんだけど…まあ、知らないよね」

苦笑いしながら言ってくる。一応、手だけで謝っておいた。

「草木、バイトはどこなんだ?」

「慎でいいよ。バイトは接客だよ。楽だからね」

手抜きができる仕事はいいよ、とカラカラ笑う。それについては同感だ。

「というか、お前の場合黙ってても客が来るんじゃないか?美形だし」

正直、こいつの顔はちょっと引くほど美形だったりする。それこそ真子と同じレベル…

バッ、と真子を見る。真子は、若干人見知りを見せて俺の後ろをついていた。いいって言ったのに?いやでも安心だな。

ホッと一息。そこで楽しそうに笑いながら

「真子さんには手は出さないよ。そもそもそんなに好かれて無いかもだしね」

それはそうなのかもしれなかった。


「やっと終わった…」

「お疲れ様です、亮太くん」

「お疲れ、亮太」

慎がきっちり馴染んでいる。凄いなこいつ。

「俺を癒してくれ、真子…」

俺が大きく手を広げると、真子は躊躇もせずに飛び付いてきた。俺はきっちり受け止めて、頭を撫でてやる。

「すごくラブラブだね…ちょっと恥ずかしくなるくらいだよ…」

いくら美形とはいえ、男が頬を染めるのは少し気持ち悪いな。

「さて、バイトか。真子、帰るときは連絡す…」

そこであることに気づく。

「どうしたんですか?」

「…真子。俺たちお互いの連絡先知らない…」

「え…?…あ」

なんだろう。俺たちは割と抜けてる気がする。

「君たち、本当に許嫁なのかい…?」

慎の声も引き気味だった。そんな目で俺を見るな…

「じゃあ、気を取り直してアドレス交換しようぜ!」

「はい!」

「あ、それなら僕も一緒にいいかな?」

「もちろんだ」

交換。なんだか俺は友達と、そして恋人と連絡先を交換するのが始めてな気になった。

よく考えてみた。

初めてだった。

「(’・ω・`)」

「なぜしょぼんとしているんだい…?」

「初メールがこれってどうなんですか…?」

それはそうかも知れなかった。

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