学校2
投稿遅れてすみません!少々用事で書く時間が削られました!
「失礼します」
職員室に到着。右手から繋いだ手錠からはあのナンパが繋がっている。
「ん、もう来たの?転校生二人とも。早い…ね……」
先生が急速に固まる。先生の視点で言うとこうだ。
①カップルの転校生が来る。
②次の日、男の方が手錠でいかつい男を連れてくる。
恐ろしい急展開だ。
「あのー、先生?こいつナイフ持ってたんで捕まえたんですけど…」
「……はっ!?い、いや、うん。分かってるよ!?」
「先生。それ多分わかってない人の台詞です」
一概にそうとは言い切れないけども。
「ていうかなんで手錠持ってるの!?…まさかそういう趣味なの!?」
「俺と真子はノーマルです。ていうかこいつどうすればいいですかね?俺こんなやつと手繋いでる(手錠で)の嫌なんですけど」
憮然とした雰囲気は隠しもしないで外に出す。一刻も早く離れたいからだ。
「…なんかあったの?」
「あの人に私がナンパされたので亮太くんご立腹なんです」
あっちで先生と真子が話している。どうでもいいけど早く外してくれ…
結局彼は生徒指導室に送られた。こわーい先生と今日は学校の完全下校時刻、8時までゆっくりお喋りだそうだ。校則どころか法律破ってるから仕方ないね。
そして俺は、今回のことでまだまともに働いてすらないのに時給が50円上がった。ラッキー。
「じゃ、廊下で待ってて、先生が呼んだら入ってね」
「「了解です」」
転校初日。これはとても重要な日だ。なんせ第一印象がここで決定するのだ。
ガラガラ、と学校のドアの特徴的な音を立てて先生が教室に入って行く。
「はーい、おはよー!皆席に座って!」
…おお。こっちは先生の統率力はあるんだな。向こうでは座ってとか言っても座る奴は少なかったのに。
「はいじゃあ出席取るよ!阿部くん!」
「はい」
「伊藤くん!」
「はい」
この後も朝のH.Rはつつがなく進行していった。そして…
「はいではこれでH.Rを終わります。姿勢、れ…」
「いやおかしいでしょう」
つつがなくどころか最後までいったので流石に我慢できず飛び出していく。見ろよ。真子なんて何が起こったか分かってないんだぞ。
「え…?あ、ごめんなさい。忘れてた」
教室からどっと笑いが起こる。人気はあるんだろうが、それは流石に勘弁してくれ…
「はいじゃあごめんなさい、H.Rまだ続きます。じゃあ悪いけど、二人とも、自己紹介して」
「はい…って、真子、いつまで呆けてる!」
ずるずると引っ張って連れてくる。途中で目が覚めたらしく、少し頬を染めている。
恥ずかしい気持ちも分かる。よく分かる。だって…
「おいなんだあの美少女…」
「かわいい…人形みたい…」
「真子って呼び捨てにしてたけど、二人は兄妹かなんかなのか?」
「真子たんかわいいよはあはあ」
一部抜粋でこれだ。一人変態が居たが、必ず誰か突き止めて処刑する。
「あー…篠原亮太です。亮太って気軽に呼んでください。バイトは自警団の予定です。よろしく」
「天野真子です。真子と呼んでください。バイトはしない予定ですが、よろしくおねがいします」
パチパチパチパチ…
拍手を受けると言うのはどうにも恥ずかしい。あまり誉められる機会とかも無かったため、慣れてないのだ。
「転校生二人に何か質問はありますか?…はい、島田くん」
「真子…さん、でいいのかな?に質問です。ズバリ!好きなタイプはどんな人ですか!?」
ウオーーー!!!と声が上がる。下手な口笛を吹くやつもいる。なるほど、絶世の美少女だからな。聞きたくなるのもしょうがない。
「好きなタイプ…は考えたことも無いですね…」
喧騒の中、真子が必死に答える。とは言ってもこいつら聞く気ないだろ。こんな五月蝿いのに聞こえる訳が…
「…あ、でも好きな人は亮太くんです」
凄い。完璧に静まりかえった。
「…あー、今なんと」
「ですから、好きな人は亮太くんです、と」
いたたまれない。俺は顔をそっぽに向け、窓の外を眺めた。
「…えっとでは、お二人の関係は…」
島田がこの雰囲気の中俺たちの関係について問う。勇者だな、こいつ。
真子はどんなことでも許せそうなかわいい顔でニコッと笑い、
「許嫁です!」
と答えた。
波乱の予感。




